BLEデバイスの選定と
Texas Instruments社製品紹介

本ページにお越しいただきありがとうございます!恐らくBluetoothに興味がある、もしくは今後検討する、既に製品を作っている方々だと思います。このページでは、Texas Instruments社(以下、TI社)が提供しているBLEデバイスの紹介と、製品の特長を簡単にご説明します。
また製品選定にあたり「そもそも選定って何を考慮すればいいの」というお悩みもよく聞きますので、BLEデバイスの選定で考慮すべきことも合わせてご説明します。
現在デバイスを選定中の方は是非ご参考いただければと思います。

製品選定で考慮すべきこと

ソフトウェア機能

まず初めにBLEデバイスを選定する際に考慮することは、 だと思います。コア仕様(Core Specification)は、Bluetoothの基本的な機能を定義しています。これは相互運用性を示すためのもので、「BT X.X認定製品」としてリリースするために必要です。コア仕様以外に定められているBluetoothの追加機能は、オプション機能として扱われます。例えば、Bluetooth 5.0で、高速モード・長距離モード・アドバタイズの拡張機能を追加しましたが、アプリケーションがBluetooth 5.0の認定を受けるために、これらの機能を必ずしもサポートする必要はありません。
そのためデバイスを選定する際は、「どのコア仕様の認定が取れているか?」「どのオプション機能に対応しているか」という目線で選択することになります。

ハードウェア

無線のアプリケーションは、実際のアプリケーション処理と無線通信、2つの処理を実行しなければなりません。TI社の無線マイコンは、無線通信用とアプリケーション用にそれぞれArm®コアを搭載しているため、コアがアプリケーション処理に専念することができます。 また最近の無線事情として、通信やアプリケーションの脆弱性が見つかった場合に、後からアップデートするための“OTAアップデート”が求められるケースが増えてきました。TI社のBLEデバイスは、OTAアップデートにも対応しているため、安心してお使いいただけます。

コスト

当たり前になるのですが、製品を選定する上で必ず出てくるのがコストです。よくデバイスだけの価格で比較されがちですが、アンテナやフィルター回路は内蔵かor外付けか、マイコン内蔵のADCで十分かor不十分なため外付けで必要か、水晶発振子は…といったように、デバイスの単価だけでなく、周辺回路との組み合わせた価格が重要になってきます。

Texas Instruments社のBLE製品

TI社の最新のBLE製品をご紹介します。 *一部Bluetooth 5.0の機能に対応
一番安価でコストパフォーマンスに優れた“CC2640R2L”、水晶レスで動作が可能かつ、マルチプロトコルに対応した“CC2652RB”という製品まで揃えています。特にCC2652RBは、無線通信において必須だった水晶発振子が不要になったデバイスで、基板サイズの制限がある・耐久性が求められるアプリケーションに最適なデバイスになります。一般的に水晶レスになれば、レイアウトサイズが12%削減できるといった話しもあり、現在非常に注目されているデバイスになります。  

低消費電力を実現する“センサーコントロールエンジン”(SCE)

上記の表に記載があるSCEについて説明します。まずCPUの状態は大きく4つに分けられます。



一般的にCPUがスタンバイ(スリープ)状態の時が、一番消費電力が小さくなりますので、CPU処理が不要な場合には、なるべくスタンバイ状態になるようにSWを設計します。ここで“ペリフェラルによるデータの収集”には、CPUが命令を出す必要があるため、CPUはウェイクアップしてしまいます。SCEはメインCPUとは別でプログラムの実行ができるもので、メインCPUを休ませながらセンシングが可能となり、消費電力の削減に繋がります。

センサーコントロールエンジンの概要

SCEはコプロセッサのようなものになり、TI社からは開発ツールも提供されています。SCEを使って、超低消費電力のアプリケーションを作ってみましょう!  

評価ボードの紹介