Texas Instruments社(以下、TI社)ホール効果電流センサ TMCS1100/TMCS1101 を紹介します。
このデバイスは、ガルバニック絶縁されているホール効果電流センサで、高精度、優れた直線性、温度安定性を備え、DC(単方向)及びAC(双方向)電流の測定が可能です。低ドリフト、温度補償回路により、デバイスの温度範囲全域で<1%フルスケール誤差を実現しました。入力電流は、内部の1.8mΩ導体を流れ、その電流により発生した磁場を集積ホール効果センサで測定します。
この構造により、外部電流検出抵抗が不要になり、設計が簡素化され、電力損失と熱放散が最小限に抑えられます。TI社独自のガルバニック絶縁により、600Vの寿命作動電圧、および電流経路と回路の間の3kVRMSの基礎絶縁性能を有しています。
絶縁電流センサ「TMCS1100/TMCS1101」について
概要
出典:Texas Instruments –『TMCS1100外部リファレンス対応、高精度、絶縁型電流センサ』
TMCS1100/TMCS1101は、ホール素子を用いた高精度電流センサです。Inx端子に流入した電流により発生する磁界及びその強度をホール素子で検知し、電流の方向と大きさをアナログ信号として出力します。
電流の導通部と検出/出力部の間には4mmの沿面距離、CTI>400V、3kV(RMS)の基礎絶縁が施されています。
電流の検出範囲と倍率(mV/A)は型番により指定できます。
倍率は50mV/A,100mV/A,200mV/A,400mV/Aの4種を用意しており、0.125A~96Aの検出が可能です。
基準電圧入力タイプ「TMSC1100」
TMSC1100はIC外部より任意の基準電圧(VREF)が入力できます。
電流が導通部を流れていない時、ICの出力はVOUT=VREFとなります。VREFを電源電圧(VS)の1/2にすると双方向、VREFをGNDにすると単方向での検出が可能です。
基準電圧内蔵タイプ「TMSC1101」
TMSC1101はICのVSを基にVREFを生成しており、電流が導通部を流れていない時、VOUT=0.5xVS、又はVOUT=0.1xVSの2種を型番により選択できます。
VOUT=0.5xVSの製品は双方向電流検出に、VOUT=0.1xVSの製品は単方向電流検出に使用できます。
また、出力に0.1xVSのオフセットを設けることで、単方向検出(型番末尾U)であっても若干の逆方向電流の検出が可能です。

TMSC110x評価ボード
TI社ではTMCS1100/TMCS1101の評価ボードを用意しています。
それぞれ上記の表にあるIC全てが実装されており、設計に合わせ最適な1製品をお選び頂けます。
出典:Texas Instruments –『TMCS1100EVM』
出典:Texas Instruments –『TMCS1101EVM』
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