Texas Instruments社(以下、TI社)が展開する電流センスアンプ製品は幅広い耐圧範囲の製品ポートフォリオがございます。その中でも今回、高耐圧・高精度な単方向電流センスアンプ製品(INA281/INA293)のご紹介をさせていただきます。
INA281/INA293について
概要
INA281およびINA293は、-4V~110Vの広いコモンモード動作電圧範囲でシャント抵抗の両端の電圧降下を測定可能な高耐圧の単方向電流センスアンプになります。この製品の特長として高耐圧だけでなく、後程詳細な製品性能を記載いたしますが、TI社が有する電流センスアンプの中でも広帯域・低オフセット電圧・小さなゲインエラー・高いDC CMRR特性を兼ね備えており、高精度電流測定が可能な製品となっております。また、ピン配置が異なる同一パッケージラインナップをご用意しており、設計上の利便性が向上いたします。
製品性能
どちらもTI社製品の中では高精度に分類されており、INA293の方がより高精度な製品となっております。
■INA281/INA293性能比較表
アプリケーション/使用例
負のコモンモード電圧に対応している為、ハーフブリッジ・アプリケーションの循環電流を高精度で測定することが可能です。
また、活線挿抜により瞬間的な電圧上昇が考えられる48V電源系のアプリケーションにも使用可能です。
その他にも以下のようなアプリケーションに使用可能です。
- PoE(Power of Ether)
- 無線機器・通信機器
- 48V電源(活線挿抜があるもの)
- ソレノイドコントロール
- バルブコントロール
下の図はINA281/INA293を用いた回路構成の一例になります。
出典:Texas Instruments –『INA281 Data Sheet, p13, 16』
製品パッケージ・ピン配置
SOT-23と呼ばれる5ピンのパッケージをご用意しており、サイズはピンの長さ込みで3.0mm x 2.8mm x 1.2mmとなっております。
また下の図のように同一パッケージでピン配置の異なる製品をご用意しており、設計の利便性が向上いたします。