水気のある場所でも検出可能な 静電容量式タッチソリューション

皆さんの身の回りには、スマートフォンを始め、様々な場所でタッチパネルを搭載した製品を見かけると思いますが、タッチパネルを使用することで、スタイリッシュなデザイン性のある家電やセキュリティ機器が増えてきました。 しかし、タッチパネルの種類によってはパネル表面に水滴がついてしまうと、うまくタッチを検出することが出来ないという課題があります。 そこで、本記事ではTexas Instruments社(以下TI社)社から提供されているCapTIvate™という静電容量式タッチセンサを内蔵したマイコンをご紹介させていただきます。こちらの製品を使用することで、水気のある場所でも検知可能な静電容量式タッチソリューションを実現する事ができます。

静電容量式センサの仕組みについて

静電容量式センサでは、センサ電極が持つ電界に人体(GND)が近づくことにより、擬似的なコンデンサが形成され、電極自信の容量が変化します。この電極の変化でタッチされたかどうかを判別します。電極の変化を検出する方式は以下の2種類があります。 それぞれの簡単な仕組みについて確認していきます。

自己容量方式

自己容量方式では、電界を発生させることが出来る電極をPCB上に配置します。手を近づけた際に、電界と手の間に擬似的なコンデンサが生成された結果、静電容量が増加します。この増加をタッチとして検出するという原理となります。
メリットとしては、単純な構造のため導入が容易、感度が良いという点になります。しかし、こちらの方式では、水が付着した際には、水による静電容量増加と指による静電容量の増加の識別が困難になってしまう課題があります。

相互容量方式

相互容量方式では、送信用と受信用の2つの電極をPCB上に配置します。1つは電界を発生させることが出来、もう1つは電気力線を吸収するため、2つの電極の間には擬似的なコンデンサが生成されています。手を近づけた際に、電界と手の間に擬似的なコンデンサが生成された結果、静電容量が減少します。この減少をタッチとして検出するという原理となります。
メリットしては、構成できるセンサの数が多い、水と指の判別が出来るという点になります。こちらの方式では、指を近づけた際の静電容量の減少をセンシングしているので、水による静電容量増加と判別することが出来ます。

それぞれのメリット

それぞれのメリットについて比較表を以下に示します。今回の主題である耐水性を重視する場合は、相互容量方式を使用し、感度や設計の容易さを重視する場合は、自己容量方式を使用すると良いことがわかります。こちらはタッチセンサを使用する環境などに合わせて、どちらの方式にするか選択していただければと思います。

水気のある場所でも検知可能な静電容量式タッチソリューション

今回はTI社のリファレンス・デザインとして提供されている、「耐水性のある静電容量式タッチ・キーパッド・デザイン」をご紹介させていただきます。こちのリファレンス・デザインでは、水気のある環境下で確実に動作し、導電性ノイズ耐性のテストに合格できる静電容量式ソリューションを提供しています。CapTIvate™タッチテクノロジーを搭載したMSP430FR2633マイコン(MCU)を使用しており、最適化されたセンサーレイアウト設計および、ソフトウェアが公開されています。
以下に実際のデモ動画を示します。

まとめ

本記事では、タッチセンサの導入を考えている方、特に水気のある環境下での導入を検討している方に向けてTI社の静電容量タッチソリューションをご紹介させていただきました。相互容量方式では、センサ電極の静電容量の減少をタッチとして検出しているので、水と指の判別が可能になります。自己容量方式との使い分けについては、使用するアプリケーションの環境で線テクしていただければと思います。以下に本記事でご紹介させていただいた製品のブローシャを記載させていただきますので、ご興味がありましたら、是非弊社までお問い合わせください。

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