- 公開日:2020年11月16日
- | 更新日:2024年03月28日
簡単解説!4種類のタッチセンサ・パネルの原理とメリットについて
- ライター:umamiti
- センサー
はじめに
皆さんはタッチセンサやタッチパネルと言われて何をイメージしますか?一番身近にあるのは、スマートフォンの画面、コンビニや公共機関にあるキオスク端末、ATMなどがあると思いますが、他にも様々なところで活用されています。本記事では、タッチセンサ・パネルの導入を考えている方に向けて、4つの方式の原理とメリットについて簡単に解説し、各方式の違いについて把握していただければと思います。
タッチセンサ・パネルの各方式の原理とメリット
代表的なタッチセンサ・パネルの方式としては以下の4つがあります。
- 抵抗膜
- 静電容量
- 超音波
- 光学(赤外線)
各方式の原理とメリットを順番に解説していきます。
抵抗膜方式
指を触れた際の抵抗値の変化によって、タッチを検出する方式です。厳密には抵抗値によって変化する電圧値を測定し、タッチを検出することが出来ます。
メリットとしては、どのようなものでタッチしても反応することが出来る、電磁ノイズに強い、コストが低いという点が挙げられます。
この方式は、2枚の透明電極膜を使用して構成されており、それぞれの電極はドットスペーサによって少しだけ空間を設けられて上下に配置されます。上側の電極を押し込み、下側の電極と接触した際に通電したタイミングで、タッチを検出するという原理となります。
抵抗膜方式の図
タッチの位置を検出する場合は、上側の電極をX軸、下側の電極をY軸として2枚の透明電極膜に少しだけ空間を設けて上下に配置します。通電時の電圧値の変化から、それぞれの軸の座標を算出し位置を特定することが出来ます。
抵抗膜方式の図(位置検出時)
静電容量方式
指を触れた際の静電容量の変化によって、タッチを検出する方法です。
メリットとしては、複数タッチ検出が可能、湾曲状でもタッチ可能(柔軟性)、耐水性という点が挙げられます。
静電容量方式には、自己容量方式と相互容量方式の2種類があります。自己容量方式は、電界を発生させることが出来る電極が使用されています。手を近づけた際に、電界と手の間に擬似的なコンデンサが生成された結果、静電容量が増加したタイミングで、タッチを検出するという原理となります。
自己容量方式の図
相互容量方式は、送信用と受信用の2つの電極が使用されています。1つは電界を発生させることが出来、もう1つは電気力線を吸収するため、2つの電極の間には擬似的なコンデンサが生成されています。手を近づけた際に、電界と手の間に擬似的なコンデンサが生成された結果、静電容量が減少したタイミングで、タッチを検出するという原理となります。
相互容量方式の図
相互容量方式を使用し、送信用の電極と受信用の電極を格子状に配置することで、静電容量が減少したセンサの座標から、タッチの位置を検出することが出来ます。
相互容量方式の図(位置検出時)
超音波方式
指を触れた際の超音波の変化によって、タッチを検出する方法です。
メリットとしては、タッチパネル表面の映像が綺麗(透過性が高い)、表面が傷ついてもタッチ検出可能、故障が少ない(耐久性) という点が挙げられます。
この方式は、超音波を出力する発振子と受信する受信子を使用して構成されています。発振子から出力された超音波は表面弾性波として表面パネルを通り受信子に伝わります。受信子では常に信号強度を測定しており、指を触れて表面弾性波の信号強度が変化したタイミングで、タッチを検出するという原理となります。
超音波方式の図
タッチの位置を検出する場合は、発振子、受信子、反射アレイを下図のように配置します。発振子から出力された超音波は辺に沿って直進しますが、反射アレイによって90°反射し、タッチパネル上を通過して対辺まで進みます。対辺には反射アレイが配置されており、再度90°反射し、受信子に伝わります。パネルを通過する位置によって、受信子までの到達時間が異なり、信号強度が変化した時間から、それぞれの軸の座標を算出し位置を特定することが出来ます。
超音波方式の図(位置検出時)
光学方式(赤外線方式)
指を触れた際の赤外線の変化によって、タッチを検出する方法です。
メリットとしては、10点以上のマルチタッチを検出可能、タッチパネル表面の映像が綺麗(透過性が高い)、軽量(設計性) という点が挙げられます。
この方式は、発光素子と受光素子を使用して構成され、それぞれの素子は対面上に配置されます。発光素子から出力された赤外線が、常に受光素子で検知されます。手を触れた際に受光素子が赤外線を検知できなくなったタイミングで、タッチを検出するという原理となります。
光学(赤外線)方式の図
タッチの位置を検出する場合は、いくつか種類があります。一番シンプルな遮断方式では、発光素子と受光素子の組み合わせをX軸用とY軸用に用意します。手を触れた際に、受光素子が赤外線を検知できなくなったタイミングで、それぞれの軸の座標を算出し位置を特定することが出来ます。
光学(赤外線)方式の図(位置検出時)
おわりに
本記事では、タッチセンサ・パネルの4つの方式である、抵抗膜、静電容量、超音波、光学(赤外線)の原理とメリットについて簡単に解説させていただきました。各方式についてまとめた表を以下に記載しますので、情報収集のご参考になればと思います。
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