- 公開日:2021年03月02日
- | 更新日:2022年11月30日
PSpice for TI でTI製品のリファレンスモデル(回路)を開く方法
- ライター:QT
- 電源
はじめに
この記事ではPSpice® for TI でTI製品のリファレンスモデル(回路)を開く方法を紹介いたします。
※その他のPSpice for TIに関する記事につきましてはコチラをご参照ください。
ICの動作を手軽に確認したい時に役立つリファレンスモデル
検討したいICがある時に少しだけ動作を確認したいけど1から回路を組むのは面倒…って事ございませんか?
Pspice for TIではTI製品のリファレンスモデルがインストールされているため、手軽にICの動作を確認いただく事が可能です。
当然 リファレンスモデルは編集可能ですので、特定の回路をシミュレーションする際も0から回路を描き始める必要はありません。
PSpice for TIでリファレンスモデルを開く手順
PSpice for TIを開いたら、まずは新規プロジェクトを作成します。
Start Page左上のアイコンをクリック、もしくはCtrlキー+N キー でプロジェクト作成を開始出来ます。
プロジェクトを作成したら、次に画面上側のメニューバーの”Place”より”PSpice Component”と進み、“Search”をクリックします。
すると画面右側に検索ウィンドウが現れますので、そこにリファレンスモデルを開きたい型番を入力しEnterキーを押下します。
今回はLMR33630という降圧DC/DCコンバータにしてみました。
すると下側に候補が現れます。LMR33630の場合サフィックス(末尾型番)によって動作が異なるため、複数候補が上がっています。
次にリファレンスデザインを開きたい候補の箇所で右クリックします。
その中にある“Open Reference Design”からその右側のモデル名をクリックします(今回の場合”LMR33630AD…Transient model”)。
このリファレンスは以前開いた事があったので、下の様に”新たにファイルをダウンロードしてローカルファイルを上書きしてよいか?”というメッセージが現れました。
初めて開く場合には現れないかと思います。
“はい”を選択すると画面左側にウインドウが現れます。
ファイルは下図の様な構成になっていて、シミュレーション内容(Startup, Steady_Sate等)によってファイルが分かれており、それぞれに“PAGE1”というファイルがあります。
シミュレーションしたい内容の箇所にある“PAGE1”をダブルクリックすると回路図がひらきます。
今回は“Startup”のファイルを開いてみました。
画面上部にある”Run for simulation”アイコン(再生マーク)をクリックするか、F11キーを押下すると、そのままシミュレーションが走り始めます。
以下がデフォルト状態でのシミュレーション結果でした。
シミュレーション条件を変更する際は再生マークのとなりにある“Edit Simulation Profile”アイコンをクリックすると設定画面が開きますのでそこから変更が可能です。
もちろん定数変更も可能で、回路図上で定数が示されている箇所をダブルクリックするとウィンドウが立ち上がります。
時にはうまく開けない事も…
今回いくつか試したところ、リファレンスモデルが開けない事がありました。
上記LMR33630の兄弟製品、LMR33620がその1つででした。上記手順でリファレンスモデルを開こうとしたところ、以下の様なエラーメッセージが現れました。
ファイルがないとの事でPC内のフォルダを追ってみた所、近いフォルダに“LMR33620A_TRANS.opj”ファイルがあったためPspice for TIにドラッグ&ドロップすると…
開く事が出来ました。
よくよく見てみるとエラーメッセージに記載されているアドレスが誤っていました。
(“LMR33620A_PSPICE_TRANS”の後ろに¥がない)
この様な形でうまく開けなかったり、デバイスがリファレンスデザインに対応していない事は度々あるかと思いますが、
その様な場合はTexas Instuments社のエンジニアサポートフォーラムe2eで改善のリクエストをあげると対応してもらえるかもしれません。
出典:Texas Instruments – PSpice for TI LMR33630/LMR33620 リファレンスモデル
おわりに
今回はPSpice for TIでリファレンスモデルを開く方法を紹介させていただきました。
頻繁に使う手順かと思いますので、是非覚えていただき、ご活用ください。
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PSpice for TIに関連する以下の記事につきましても、ぜひ併せてご参照ください。
PSpice for TIでTI製品以外のモデルをインポートする方法
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