• 公開日:2021年04月09日
  • | 更新日:2024年01月11日

シングルペアイーサネット(SPE/10Base-T1L )とは

はじめに

10Base-T1L (シングルペアイーサネット)と呼ばれるイーサネットの新規格について聞いたことはありますか?
この規格はIEEE 802.3cg-2019として新たにIEEEの承認を得た規格です。
IEEE 802.3cgには二つの規格があり、10Base-T1Lと10Base-T1Sの二種類があり、それぞれの特長を以下に示します。

各特長

・10Base-T1S:速度 10Mbps, 最大配線長15m(AWG24-26ケーブル), マルチドロップ接続可能
・10Base-T1L :速度 10Mbps, 最大配線長1000m(AWG18ケーブル), 1対1接続

本稿では、10Base-T1Lにフォーカスして特長をご紹介させて頂きます。
より詳しい情報が必要な場合は、以下より資料をダウンロードください。

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シングルペアイーサネットの一覧

以下は各シングルペアイーサネットの一覧です。
主なアプリケーション~接続方式までの一覧を記載しております。

項目 IEEE802.3cg IEEE802.3bw IEEE802.3bp
10Base-T1L 10Base-T1S 100Base-T1 1000Base-T1
アプリケーション 産機/民生 産機/民生 車載 車載
伝送レート 10Mbps 10Mbps 100Mbps 1000Mbps
通信信号 PAM3 PAM3 PAM3 PAM3
変調方式 4B3T 4B5B 4B3B 80B81B
最大ケーブル長 1000m
(AWG18ケーブル)
15m
(AWG24~26ケーブル)
15m 15m
接続方式 1対1 マルチドロップ可 1対1 1対1

10Base-T1Lの特長

2芯ケーブル1本でLANケーブルより軽量、安価、小コネクター
・ 10Mbpsかつ1000m長距離通信
・ PoDL(Power over Data Lines)により最大52Wの電力伝送

長距離配線や電源重畳の観点からRS485, CAN, フィールドバス, HARTからの置き換えとして注目されています。
従来の通信方式から10Base-T1Lに置き換えることによって、様々なアプリケーションで有益になると考えております。

まとめ

10Base-T1L (シングルペアイーサネット)は長距離配線かつ電力重畳も可能なので、次世代向けに既存の設備から通信速度の向上を兼ねて使用されるケースも今後増えてきます。

本稿を通じて、10Base-T1Lをご興味頂ければ幸いです。
シングルペアイーサネットのより詳細な情報や、Texas Instruments社から提供されている評価ボード(DP83TD510EVM)について等の内容を資料にまとめておりますので、ぜひダウンロードください。

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お問い合わせ

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Single Pair Ethernet Consortium (SPEC) について

以下記事にてSPECについて紹介させて頂いております。こちらも合わせてご参照下さい。
https://www.macnica.co.jp/business/semiconductor/articles/basic/143914/