• 公開日:2021年08月31日
  • | 更新日:2022年11月30日

建設現場の危険回避には「ミリ波センサー」がおすすめ。カメラを超えるメリットとは?

あらゆる建設現場で、事故の削減が重要な課題となっています。建設現場を指揮するゼネコンや、建設機械を貸し出すレンタル業者では「労働災害の発生を予防したい」「重機の安全性を高めたい」とお悩みの方が少なくありません。

一方で「危険回避の具体的な手段として、どのような対策があるかわからない」「重機にカメラを取り付けているが、他に良い方法があれば検討したい」といった声も多く聞きます。

今回は、建設現場の安全管理に課題をお持ちの方に向けて、建設現場の事故原因の実態と、危険回避に役立つ「ミリ波センサー」の特長やメリットを紹介します。

建設現場の事故の実態とは?「危険エリアへの侵入」「重機との接触」が課題

建設・土木工事の現場では、重機の使用機会や高所作業が多く、事故が発生すれば深刻な結果にもつながります。作業員の被災、事故対応による工期遅延、安全配慮義務違反の追及など、さまざまな形で重大な影響が生じます。労働災害の削減に向けた安全対策は、建設現場の重要な課題です。

労働災害について厚生労働省が取りまとめた資料「令和2年労働災害発生状況の分析等」によると、令和2年(2020年)に建設業で発生した労働災害の人数は1万4977人と報告されています。

事故の型別に内訳を見ると、最も多いのが高所などからの「墜落・転落」で、4756人となっています。また、重機による事故も多く、「はさまれ、巻き込まれ」が1669人、「激突され」が791人、「激突」が704人となっています。

建設現場の事故を削減するためには、墜落や転落につながる「危険エリアへの侵入」や、重機にはさまれる、巻き込まれる、激突されるといった「重機との接触」を未然に防止する取り組みが不可欠だと言えるでしょう。

カメラが抱える問題点。悪天候・粉塵・夜間・振動による精度の低下

「危険エリアへの侵入」や「重機との接触」を未然に防ぐために、立ち入り禁止エリアの監視カメラや、運転席の死角を補う重機用バックカメラを導入している現場もあります。

しかし、カメラには弱点もあり、下記のような場面で課題を感じるケースが多いようです。

・悪天候や粉塵

雨や雪、霧といった悪天候時には、カメラの映像が見づらく、検知の精度が低下します。また現場によっては粉塵が多く発生するため、精度低下の要因となります。

・夜間や暗所

周辺環境の明かりが不足していると、カメラの映像が不鮮明になるため、侵入者や、重機に近づく作業員を見落としがちになります。

・振動

作業内容によっては、重機による激しい振動が続きます。カメラの映像が乱れるため、視認性が低下し、使いづらい場面もあるようです。

こうしたカメラ特有の弱点を感じさせず、建設現場での活用が期待されているのが、ミリ波センサーによる危険回避システムです。

悪天候・粉塵・夜間・振動時にも検知可能なミリ波センサー

ミリ波は電波の一種で、最近では5Gなどのワイヤレス通信や自動運転のレーダーなどにも利用されています。ミリ波センサーは、ミリ波を照射し、その反射を検出することで、対象物の距離、角度、速度などを検知する仕組みです。短距離から長距離までのセンシングが可能です。アンテナを増やすことで、対象物の形状や、人の姿勢なども検知できます。
ミリ波には、雨・雪・霧や、粉塵の影響を受けにくい特性があります。そのため、ミリ波センサーは、悪天候時や粉塵の多い建設現場でも、高い検知精度を確保できます。

また、センサー自身が発する電波を使って計測するため、周辺の明かりの影響を受けません。夜間や暗い場所でも問題なく利用可能です。振動を軽減するアルゴリズムを組み込んだ製品もあり、振動の多い建設現場でも利用できます。

ミリ波センサーは、悪天候、粉塵、夜間、振動といった、カメラでは検知が難しい環境下でも、安定した利用が可能です。従来のカメラに代えて、ミリ波センサーを活用することで「危険エリアへの侵入」「重機との接触事故」といった建設現場での危険を回避できます。

いかがでしたでしょうか。
今回は、建設現場での事故の実態と、危険回避に有効なミリ波センサーの特長やメリットを紹介しました。
ミリ波センサーの具体的な活用方法について、次記事「活用事例から学ぶ、ミリ波センサーを使用した建設機器向けの危険検知システム」 で紹介していますので、ぜひお読みください。