- 公開日:2022年07月27日
- | 更新日:2024年06月05日
回路の集積化に貢献するアナログ混載・小型・プログラマブルIC GreenPAKとは
- ライター:NH
- その他
GreenPAKとは
ルネサスエレクトロニクス社は2021年にDialog Semiconductor社を買収しました。
GreenPAKは旧Dialog社のミックスドシグナルのプログラマブルデバイスです。
下図のようなデジタル・アナログ要素が、1つのパッケージに数個ずつ入っていて、中身をカスタマイズすることができます。
主な特徴
- 小型 ・・・ 最も小さいもので1mm x 1.2mm のQFNパッケージ
- 低消費電力 ・・・ 特に小型機器のバッテリーライフに貢献します
- 設計の容易さ ・・・ GUI上で回路図入力するため、特別な知識は不要(開発ツールについては後述します)
- NRE不要・・・ 開発費用やライセンス費用はかかりません
用途
- 監視・リセット回路
- IOエキスパンダー
- 電源シーケンス
- レベルシフタ
- センサーインタフェース
民生・産業・車載まで、あらゆる回路の集積化に貢献します!
上記は一例ですが、現状はディスクリートで組んでいる回路など、置き換えるのに最適なデバイスとなります。
ルネサスエレクトロニクス社のホームページでは、Cookbookとしてアプリケーション例およびプログラムファイル例が公開されています。
”GreenPAK Cookbook” がアプリケーション例を含むGreenPAKの説明書で、その中で紹介されている例のプログラムファイルが”GreenPAK Cookbook GP files” に入っています。
開発ツール Go Configure™ Software Hubの紹介
開発ツールであるGo Configure™ Software Hubは以下リンク先にて公開されており、無償で使用することができます。
(量産時にかかるライセンス費用等がありません)
https://www.renesas.com/jp/ja/software-tool/go-configure-software-hub
GUIは下図のようなもので、各種コンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップで配置・配線し、設定を入力することができます。
下図のようにシミュレーションできますので、まずはGo Configure™ Software Hubだけで簡単に設計することが可能です。シミュレーションはGreenPAK内部だけでなく、信号源や受動部品、トランジスタ等を配置した上で行うことができます。
開発キット(ボード)の紹介
開発キットはデバイスへの書き込み、実機評価、エミュレーションを行うためのものです。
構成としては、Development BoardにGreenPAK自体が載った小型ボードを接続して使います。
小型ボードの方はデバイス型番ごとに存在しており、型番ごとのページに移動して、”設計・開発” → “ボード&キット” にて確認と購入が可能です。
Development Board
- SLG4DVKADV
SLG4DVKADVは信号源が搭載されていて、開発ツール上で設定した信号を生成して評価することが可能です。動作確認用にテストピンとLEDが載っています。
(引用元:https://www.renesas.com/jp/ja/products/programmable-mixed-signal-asic-ip-products/greenpak-programmable-mixed-signal-products/analogpak/slg4dvkadv-greenpak-advanced-development-board)
- SLG4DVKDIP
SLG4DVKDIPは信号源が搭載されていないものです。端子を外部に引き出すためのピンが載っています。
(引用元:https://www.renesas.com/jp/ja/products/programmable-mixed-signal-asic-ip-products/greenpak-programmable-mixed-signal-products/analogpak/slg4dvkdip-greenpak-dip-development-board)
GreenPAKが載った小型ボード
- ソケットボード(SLG******-SKT)
プログラムを書き込んだあと、自分のボードに載せられるようなソケットタイプです。こちらはSLG4DVKADVと組み合わせるものになります。ソケットボードと50個程度のサンプルが付きます。
(引用元:https://www.renesas.com/jp/ja/products/programmable-mixed-signal-asic-ip-products/greenpak-programmable-mixed-signal-products/greenpak-load-switches/slg46108v-skt-greenpak-slg46108-development-kit-socket-adapter)
- DIPボード(SLG******-DIP)
最初からデバイスがはんだ付けされた状態のもので、SLG4DVKDIPと接続可能です。SLG4DVKADVと組み合わせることも可能ですが、その場合は以下のDIPアダプタも必要です。
(引用元:https://www.renesas.com/jp/ja/products/programmable-mixed-signal-asic-ip-products/greenpak-programmable-mixed-signal-products/greenpak-load-switches/slg46108v-dip-greenpak-slg46108-20-pin-dip-prototyping-board)
- DIPアダプタ(SLG4SA-DIP)
上述の通り、SLG4DVKADVとDIPボードを組み合わせる場合に必要です。
(引用元:https://www.renesas.com/jp/ja/products/programmable-mixed-signal-asic-ip-products/greenpak-programmable-mixed-signal-products/greenpak-asynchronous-state-machine/slg4sa-dip-greenpak-dip-adapter-greenpak-advanced-development-board)
まとめ
今回はGreenPAKの簡単なご紹介と、開発ツール・開発キットのご案内でした。
製品をお探しの方や不明点をお持ちの方は以下よりお問い合わせください。