• 公開日:2023年07月12日
  • | 更新日:2023年07月13日

使いこなせれば超便利!ルネサス RL78ファミリのタイマー機能詳細解説

はじめに

マイコン内外のタイミングを制御するために使用されるタイマーですが、ルネサスのMCUでは単純なタイマー機能だけでなく多機能なタイマーを搭載しております。

今回はルネサス RL78ファミリに搭載されているTAU(タイマーアレイユニット)の機能・特徴について解説致します。

もちろんデータシートにもこれらの機能の説明は記載されておりますが、本記事では動作例としてタイミングチャートを示しながら説明します。

※今回掲載する内容はRL78/G23がベースとなります

 

TAU(タイマーアレイユニット)とは?

タイマ・アレイ・ユニットは 8個(チャネル)の 16 ビット・タイマーを搭載しています。

各チャネルは単独で動作させ各種機能を実現できる他、複数のチャネルを組み合わせて高度なタイマとして機能させる事もできます。

単独チャネル動作機能 複数チャネル連動動作機能
① インターバル・タイマー

② 方形波出力

③ 外部イベント・カウンタ

④ 分周器

⑤ 入力パルス間隔測定

⑥ 入力信号のハイ/ロウ・レベル幅測定

⑦ ディレイ・カウンタ

⑧ ワンショット・パルス出力

⑨ PWM出力

⑩ 多重PWM出力

以降、上記動作機能について解説いたします。

単独チャネル動作機能

① インターバル・タイマ動作

一定間隔で割り込みを発生させる基準タイマとして使用する事ができます。

 

② 方形波出力動作

デューティ 50%の方形波をタイマ出力端子から出力させる事ができます。また、方形波出力の初期状態(”High” “Low”出力)を指定する事もできます。

下図が動作イメージになります。

 

③ 外部イベント・カウンタ動作

タイマ入力端子への入力信号の有効エッジをカウントし、予め指定したカウント値に達したら割り込みを発生させるイベント・カウンタとして使用する事ができます。

尚、有効エッジは立上り/立下り/両エッジの指定が可能です。

下図が動作イメージになります。

④ 分周器動作 (チャネル0のみ)

タイマ入力端子に入力されたクロックを分周して出力させる、クロック分周器として使用する事ができます。

下図が動作イメージになります。

備考:入力クロックで両エッジ検出選択時、クロックのデューティ誤差が分周クロック周期に影響し、動作クロック 1周期分のサンプリング誤差が含まれる場合があります。

( 出力クロック周期 = 理想出力クロック周期±動作クロック周期(誤差))

 

⑤ 入力パルス間隔測定動作

タイマ入力端子に入力するパルス信号の有効エッジでカウントをスタートさせ、次の有効エッジでカウント値をキャプチャすることで、入力パルス間隔(有効エッジ間)を測定する事ができます。

尚、有効エッジは立上り/立下り/両エッジの指定が可能です。

下図が動作イメージになります。

<立下りエッジ間測定例>

 

⑥ 入力信号のハイ/ロウ・レベル幅測定

タイマ入力端子に入力する信号の片エッジでカウントをスタートさせ、もう一方の片エッジでカウント値をキャプチャすることで入力信号のハイ・レベル幅、ロウ・レベル幅を測定する事ができます。

下図が動作イメージになります。

<ハイ・レベル幅測定例>

 

⑦ ディレイ・カウンタ

タイマ入力端子に入力するパルス信号の有効エッジでカウントをスタートし、任意のディレイ期間後、割込みを発生させる事ができます。

尚、有効エッジは立上り/立下り/両エッジの指定が可能です。

下図が動作イメージになります。

複数チャネル連動動作機能

⑧ ワンショット・パルス出力

2チャンネルをセットで使用し、タイマ入力端子に入力する信号の有効エッジを起点にして、任意設定した出力タイミングとパルス幅のワンショット・パルスを出力させる事ができます。

尚、有効エッジは立上り/立下り/両エッジの指定が可能です。

下図が動作イメージになります。

 

⑨ PWM出力

2チャネルをセットで使用し、マスタチャネルで周期、スレーブチャネルでデューティを設定する事で、その設定に応じた任意のPWMパルスを出力させる事ができます。

下図が動作イメージになります。

 

⑩ 多重PWM出力

PWM機能を拡張し、1つのマスタチャネルと複数のスレーブチャネルを使用することで、周期一定で、任意のデューティのPWM信号を最大7種類のパルスを出力する事ができます。

 

まとめ

今回はRL78シリーズにおけるTAUについて解説させていただきました。

今後他のシリーズ(RXシリーズ, RAシリーズ)のタイマーついても解説する予定ですので、ご期待ください。

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