• 公開日:2024年09月24日
  • | 更新日:2024年10月18日

ルネサス社SPI NOR FlashをAltera FPGA上でコンフィグ動作確認してみた

はじめに

ルネサス社といえばSPI NOR Flash!と連想する方は多くないかもしれません。が、実は取り扱いがございます。
今回は少しでも多くの方にルネサス社のSPI NOR Flashを知っていただきたいと思い、SPI NOR Flashの用途としてよくある、FPGAのコンフィグレーション動作を実機確認してみました。

ルネサス社 SPI NOR Flashのラインナップ概要

ルネサス社のSPI NOR Flashのラインナップに触れさせていただきます。

ラインナップとしては、他社品とも互換性がある標準品、使用するシステムのパフォーマンスを向上させるシステムエンハンス品の2種類があります。標準品は業界標準のNORアーキテクチャで構築されており、コードやデータストレージに信頼性の高いフラッシュメモリを必要とする産業用システム、省電力システム、バッテリ駆動システムの消費電力と性能の要件を満たすように設計されています。システムエンハンス品には、高度なFusionHD、Ultra-Low Energy、DataFlashファミリがあります。これらの製品は、MCU のオーバーヘッドを最小限に抑えるように設計されており、一般的なフラッシュメモリソリューションと比較して85%以上のエネルギー節約をすることができます。

-標準品

-システムエンハンス品

動作確認の概要

今回確認した、FPGAのコンフィグレーション動作について説明します。
FPGA は SRAM ベースのデバイスなので、電源投入しただけでは動きません。FPGA にデザイン(設計)データをロードする事で初めて動作しますが、そのデザインデータを ROM から転送させる必要があります。このデータ転送をコンフィグレーションと呼びます。
今回検証にはAltera社のFPGA、SPI NOR Flashはルネサス社標準品3.3V 128Mbを用いました。こちらはルネサス社の中ではニーズが比較的大きく、他社品との互換性もあります。SPI NOR FLASHの詳細は以下参照ください。

ルネサス社SPI NOR Flash 3.3V 128Mb 8pin SOICパッケージ AT25SF128A-SHB-T
https://www.renesas.com/ja/products/memory-logic/non-volatile-memory/spi-nor-flash/at25sf128a-128mbit-27v-minimum-spi-serial-flash-memory-dual-io-support

いよいよ動作確認

それでは動作確認です。今回の検証機材は以下になります。

-ハードウェア
ルネサス社SPI NOR Flash 3.3V 128Mb 8pin SOICパッケージ AT25SF128A-SHB-T
Altera社FPGA Cyclone Ⅴ 5CGXFC7D6F27C7Nを搭載した開発ボード
開発ボード用ACアダプタ
GFEC社PC接続用JTAG-USBケーブル(USB-Download Cable)
ノートPC

-ソフトウェア
Altera社Quartus 23.1std Lite Edition

FPGA、ルネサス社SPI Flash

検証環境

上記環境にて、x4モードでErase/Program/Verifyを行い、これらが完了したらボードの電源をOFF後に再度ONにし単独でFPGAが動作しているかを確認します。
手順を簡単に紹介していきます。

1)
Quartusを選択し立ち上げます。

2)
コンフィギュレーションの設定を行います。
Configuration schemaをx4、Active serial clock sourceを12.5MHzに設定します。

3)
プログラミングの設定を行います。
Configuration Deviceタブで以下のように設定します。
上側でDevice familyをCyclone V、Configuration modeをx4に設定します。
下側でDevice nameは任意の名前、Device IDは製品固有の値(AT25SF128Aでは1Fh 89h 01h)、Device I/O Voltageは製品仕様の値(同3.0/3.3V)、Device densityは製品固有の値(同128Mb)、Total device dieは製品固有の値(同1)、dummy clockは適切な値(同Single 8、Quad 8)を入力します。

プログラミングファイルのタイプはJTAG(jic形式)を選択し、ファイル名を指定します。

Flash Loader、SOF Dataも検証環境に合わせて設定します。
その後、Generateでプログラムファイル(jic形式)を生成します。

4)
Programmerを選択し立ち上げます。
さらに作成したプログラムファイルを選択します。

5)
Program/Configure、Verifyにチェックを入れ、Startします。

6)
メッセージを確認し、以下のようにプログラムがEndになっていることを確認します。

7)
FPGAがコンフィグレーションできるかを確認するため、ボードの電源を切り、再度電源を入れ、
期待した動作をするか確認できればOKです。

結果…

結論、無事にLEDがカウントアップされ、動作を確認する事ができました!
以下写真はその時のものになりますが、当然写真では伝わりませんね…

最後に

今回ルネサス社NOR FLASHを使用したAltera社FPGAのコンフィグ動作を確認しました。当然今回確認した動作はほんの一部となりますが、本検証がみなさまの開発の少しでもお役に立てば幸いです。なお、ルネサス社ではさらに容量の大きな256Mb品もリリースされました(2024/10/1現在)ので、こちらのSPI NOR Flashでも動作確認していく予定です。

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