• 公開日:2024年10月18日
  • | 更新日:2024年10月28日

新人FAEが逃げる目覚まし時計を作ってみた~第1話 製作実習の始まり編~

はじめに

皆様はじめまして。こんにちは。2024年新卒入社の山崎です。マクニカでは新人FAEに対し「製作実習」を行う機会が与えられます。「製作実習」は実際にモノづくりを体験しながら基礎知識を身に着けようという教育研修の1つです。

今回は困難あり、笑いあり、成長あり、そんな日々を過ごした「製作実習」について私の体験談をお話していきます。

製作条件

マクニカの製作実習を行うにあたっての製作条件は各カンパニーにより異なります。私のカンパニーでは条件がシンプルでアイディア次第で他の同期の製品とはかなり異なってきます。(自由にモノづくりができる!!)条件は以下になります。

・Renesas FPB-RA0E1マイコンキットを使用

・FSP(C言語)を用いてプログラムを作成する

・センサを付ける (温度・湿度・照度・圧力など)

・表示系をつける (LED・7セグメントLED・LCDなど)

・駆動機構をつける (モーター等)

・何かしらの割り込みを使用する

何を作ろう・・・

モノを作るためにはまず、何をつくるか決めなければなりません。上記の条件を満たせば何でも作れてしまうのです…アイディアのセンスが問われますね…しかし2週間後には仕様書の提出日が迫っています。悩める時間がありません。思いついたモノを書き出していきます。

 

・タバコの臭いを検知し消臭スプレーを吹きかけてくれるマシン

⇒タバコの臭いだけ判断することが難しいのではと却下

・アラームが鳴るとスロットが回り [777]がそろうまで止まらない目覚まし時計

⇒過去に似たようなものありそうと却下

 

何かユニークでちょっと役に立つような製品を作りたかったため、かなり悩みました。そこで、その時にいた周りの方々に何か困っていることはありませんか?と聞いて回ったところ… とある課長さんが、

「目覚まし時計だけじゃなかなか起きられない… 目覚まし時計動いたりしないかな…」と耳にしました。

これはお悩み解決させてください!ということで、今回私は

 

「逃げる目覚まし時計」

 

をつくることにしました。センサで障害物をよけながらの走行と目覚まし時計ということでハード的にもソフト的にも勉強になり1か月ほどで間に合いそうな難易度となりテーマが決まりました。

完成イメージ

早速完成をイメージしていきます。まずは、目覚まし時計として何が必要なのかを考えていきます。

・時刻を表示するもの (7セグメントLEDかLCD)

・RTC(リアルタイムクロック)機能使用

・アラーム音用のブザー

・アラーム時刻設定用のスイッチ3つ

時計としては上記のものがあれば機能するはずです。次に逃げるために必要なことを考えていきます。

・センサ(今回は赤外線センサ2つ使用)

・DCモーター

・タイヤ

・車体(マイコンやセンサを載せるもの)

上記のもので、障害物を避けながら走行が可能になると考えました。機能をまとめると以下のようになります。

これらの仕様を元に全体の完成イメージ図はこんな感じになりました。

キューティーで結構いい感じですね。この後は、仕様書発表会に向けて状態遷移図や回路図、ブロック図などの資料を作成して
いきます。大まかな流れが一番つかめるのが状態遷移図なのでこちらだけ乗せさせていただきます。

仕様書作成までのまとめ

アイディアだしの時は凄くわくわくしていたのですが、いざ状態遷移図やフローチャート、回路図など資料を書き始めると…結構自分を追い込んでくる製品になるのではないかと焦りを持ちました。Renesasの新卒FAEはこの仕様書発表の後に2か月間別の研修があるため2か月後の自分に何を思われるかわかりませんね…(^^;)

 

次回 「~第2話 Renesas研修から帰ってきた新卒のソフトウェアとの闘い編~」

Renesas研修で知識を身に着け、成長した姿を見せることができるのか…!新卒FAEの戦いは続く…お楽しみに。

第2話