HVPAKでLEDドライバー作ってみた

製品概要（HVPAKとは）

2021年ルネサスエレクトロニクスはDialog Semiconductor社を買収しました。

GreenPAKとは、GreenPAKは旧Dialog社のミックスドシグナルのプログラマブルデバイスです。

※GreenPAKの基礎知識や情報についてはこちらの記事をご参照ください。

⇒回路の集積化に貢献するアナログ混載・小型・プログラマブルIC　GreenPAKとは

ロジック、PWMなどが内蔵している製品など様々なラインナップがあるなかで、

今回は　「HVPAK」　と呼ばれる高耐圧端子に特化したラインナップのデバイスを使いLEDドライバーを作成しました。

「HVPAK」は高耐圧端子を内蔵したGreenPAKであり、SLG47105VとSLG47115Vがリリースされております。

SLG47105Vは12Vの高耐圧端子を４本内蔵、SLG47115Vは24Vの高耐圧端子を２本内蔵している製品でございます。

背景

HVPAK（SLG47105 / SLG47115）がリリースされ、モータードライバーの他にLEDドライバーとしても取り扱えるため評価ボードを用いて動作を確認します。

実機動作の手順

以下の物を準備いたしました。

・Development Board　SLG4DVKADV

・HVPAK SLG47105V Evaluation Board

・USBケーブル

・PC : Windows 10

・青LED×2 , 赤LED×2　, 緑LED×3

・抵抗：100Ω

・インダクタ：100μH

・開発環境：Go Configure

※ルネサス社のHPから無償でダウンロードできます⇒Go Configure™ソフトウェアハブ | Renesas

SLG47105は2.0×3.0mmです。

HVPAK SLG47105V Evaluation BoardをDevelopment Board　SLG4DVKADVにセットして使用します。

Go configureを使い設計していきます。デザインの概要は下記のようになります。

【各ブロックの動き】

・VDD：USBより、3.3V給電

・VDD2：安定化電源より12V給電

・CNT/DLY 0：PIN３からの入力に応じPWMブロックのPower ON/OFFを切り替える。

・CNT/DLY 1：PIN2からの入力に応じてPWMブロックで設定したDuty cycleレジスタを切り替える。

・PWM：8段階の明るさになる様、レジスタファイルにDuty cycleのパラメータを設定。Duty cycleのソースをレジスタファイルに設定。

・HV GPO 0 , 1：HVOUTの出力設定をハーフブリッジとして使用。PIN7からPIN8を順方向としてLEDを接続。

・Current CMP：VREFのソースをPWMブロックに設定。（1056mV）設定値を超えた場合は高耐圧端子出力をディセーブルにし電圧一定に制御。

まず、PC～USB～評価キットを接続します。接続するとPWR LED（橙色）が点灯します。

Go Configure上でdebugを実行します。評価キットは「GreenPAK Advanced Development Plantform」を選択し[Emulation]を実行します。

VDDA（VDD2）端子とGND端子を安定化電源の出力端子（12V）とGNDに接続します。

実行後、LED（青）が点灯します。エミュレート実行状態を示します。

実機動作の結果

LEDの結果は下記のようになりました。

写真では伝わりづらく申し訳ないのですが、８段階任意のduty比で明るさが変わっていることがわかります。

Duty cycle sourceですが、ユーザーが2つのモードを選択できるようになっています。今回は[Preset Registers Mode]を選択しました。こちらのモードは、Duty Cycle CLK入力の立ち上がりエッジごとに[Reg File]と名付けられた16個の定義した値にしたがってduty比が変更されます。今回は８段階での設定ですが、16段階まで設定することができます。

青LED：2.5V , 赤LED：1.8V　, 緑LED：2.3V

上記のLEDをそれぞれ、青×２、赤×２、緑×1個を直列に接続し、抵抗100Ω、インダクタ100μHも直列に接続しています。オシロスコープで抵抗両端の波形を確認してみると約500mV (LEDの順方向電圧)であり、約50mAの電流を流しています。またPWM周期は約98kHzで設定しております。PWM調光ができていることが確認できました。

実現する製品はこちら

GreenPAK（HVPAK）：SLG47105

URL : SLG47105

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