- 公開日:2025年03月28日
- | 更新日:2025年03月31日
機械学習の基礎について解説
- ライター:Kakky
- マイコン
はじめに
AI(人工知能)は、すでに私たちの社会に不可欠な技術となっています。スマートデバイスの音声認識やオンラインショッピングのレコメンド機能、さらには製造業や医療現場の効率化など、幅広い分野で活用が進んでいます。このようなAIの発展を支えているのが「機械学習」です。AIを適切に活用し、そのメリットを最大限に引き出すためには、機械学習の基礎を理解することが重要です。
しかし、AIを上手に使うためには、その背景にある「機械学習」の理解が重要です。この記事では、以下の内容に沿って、機械学習について解説します。
- 機械学習とは何か
- 機械学習の3つの種類と代表的な用途
- 機械学習の開発フロー
機械学習とは
そもそも機械学習とは何でしょうか?複数の定義がありますが有名なものでは、アーサー・サミュエル氏によって定義された「明示的にプログラムしなくても学習する能力をコンピューターに与える研究分野」という定義があります。
難しい言葉を使わずに端的に言うなれば「機械でもわかる判断基準を人間ではなく機会に作成させること」だと筆者は考えています。
例えばさくらんぼの画像イメージを頭の中に思い浮かべてみてください。想像されるのは、赤くて丸くてリンゴより小さくて、少し長めのヘタがついている果実だと思います。
これを言葉で説明しても機械には伝わりません。機械では、画像イメージはピクセルとして0と1によってのみ記述されます。このピクセルデータを人間が、”丸み”や”色”や”大きさ”などのさくらんぼに特徴的だと考える要素を機械に与えることで、似たようなピクセルデータを渡した際に初めて機械がそれをさくらんぼだと判断できます。
この判断基準のことを一般的に「モデル」と称し、特徴的な要素のことを「特徴量」と言います。
機械学習の3つの種類と代表的な用途
機械学習は、大きく 「教師あり学習」「教師なし学習」「強化学習」 の3つに分類されます。
- 教師あり学習:正解があるデータを学習し、数値を予測・カテゴリーに分類する手法。
- 教師なし学習:正解がないデータから、パターンや構造を見つけ出す手法。
- 強化学習:試行錯誤しながら、最適な行動を学習する手法。
それでは、それぞれの詳細を見ていきましょう。
① 教師あり学習(Supervised Learning)
特徴
- 正解(ラベル)が付いたデータ を使って学習
用途
- 分類(Classification):カテゴリ分け(例:犬 or 猫)
- 回帰(Regression):数値予測(例:気温,株価の予測)
主なアルゴリズム
- 決定木、サポートベクタマシン、K-近傍法 (K-MN)、回帰(単回帰、重回帰、ロジスティック回帰など)
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② 教師なし学習(Unsupervised Learning)
特徴
- 正解(ラベル)なしデータ からパターンを発見
- データのグループ化や異常検知 に利用
- 例:「顧客を購買傾向で分類」「異常な取引の検出」
主な用途
- クラスタリング(Clustering):データをグループ化(例:似た顧客の分類)
- 次元削減(Dimensionality Reduction):データの圧縮・可視化(例:高次元データを低次元に圧縮)
代表的なアルゴリズム
- K-平均法(K-means)、主成分分析(PCA)
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③ 強化学習(Reinforcement Learning)
特徴
- 試行錯誤を通じて最適な行動を学習
- 長期的な報酬を最大化 するように学習
- 例:「ゲーム戦略AI」
主な用途
- 戦略学習(Policy Learning):最適な行動方針を学習、現在の勝率や打ち手の強さの可視化
代表的なアルゴリズム
- Q学習(Q-Learning)、SARSA、モンテカルロ法
内容を下にまとめます。
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ルネサスエレクトロニクス社では、上記で説明したような機械学習について、これまで開発経験がない方であってもAIモデルを作成することが可能なソリューションとしてReality AIというツールを提供しています。特長やユースケース、不明点やご質問が御座いましたら下記にてご確認ください。
次回は今回紹介できなかった機械学習のアルゴリズムについて具体的に解説いたします。更新をお待ちください。