• 公開日:2025年08月19日
  • | 更新日:2025年09月19日

車載ハーネスのコストダウン・軽量化の裏技(AHL)

車内で取り扱われる情報量の増加に伴い、車載ハーネスも増加傾向にあります。

特に映像データ。フロント・バックカメラ、サラウンドビューモニタ等、搭載されるカメラの数は非常に多くなっています。

それはつまりコストアップ・重量増につながることになりますが、少し手を加えるだけでコストアップ・軽量化を図れるかも!?

 

AHLとは?

既にタイトルでネタバレしていますが、AHLを使用することで、映像のデジタル伝送路を性能はほぼそのままに、アナログ伝送路での通信を可能にする・・・それがAHL(Automotive HD Link)!

HD解像度をサポートする新しいコスト効率の良いアナログ動画伝送技術です。

 

AHLのメリット

今まで同軸ケーブル・コネクタを使用していたところに、軽量・安価で取り回しも楽なツイストペアケーブル・コネクタが使えます。

それでデジタル伝送と比べて遅延なく、優れた画質が実現可能です。

(解像度は最大1080p30Hz or 720p60Hz)

車載カメラシステムのケーブルおよびコネクタのコストをデジタル伝送と比較して30%削減できる!・・・かも!?

 

AHLの仕組み

AHLでのアナログ伝送では、データは、10bitのDAC/ADCを使用して、1サイクルクロック当たり10bitのレベルで伝送され、これは、1クロックサイクルで10ビットのデータを伝送することを意味しています。

デジタル伝送では、1クロックサイクルに1ビットのデータ送付を行うため、単純に比較すると、アナログ伝送は、デジタル伝送の1/10の帯域で済むことになります。

アナログコンポジットビデオ信号は、従来のNTSC標準画質ビデオ信号をモデルとしていますが、高解像度をサ ポートするために、より高い周波数を使用しています。

– NTSCは~6MHz、AHLは~37MHz。

– デジタル伝送(SerDesなど)には1GHz以上の帯域幅が必要。

 

AHLの具体例(ブロック図)

・車載カメラシステム

・駐車支援システム

まとめ

ここまでAHLをご紹介いたしましたが、実際の車載システムは、複数のメーカーが力を合わせて作り上げていくものであり、難しい面が多々あるかと思います。

しかし、このような技術が有用な場面はきっとあるはず!という希望的観測の元、紹介させていただきました。

ご覧いただいた皆様の一助になれば幸いです。

 

RENESAS製品紹介URL

・AHL制御チャンネル付き車載カメラシステム

https://www.renesas.com/ja/applications/automotive/adas/automotive-camera-system-ahl-control-channel?queryID=878d28d6e202c1baeaeb03d2333dfc59

・AHL搭載駐車支援システム

https://www.renesas.com/ja/applications/automotive/adas/parking-assistance-system-ahl-camera?queryID=878d28d6e202c1baeaeb03d2333dfc59

 

評価ボード

・車載用ハイディフィニション リンク エンコーダ評価ボード

https://www.renesas.com/ja/design-resources/boards-kits/rtka279971da2000bu

・車載用ハイディフィニション リンク デコーダ評価ボード

https://www.renesas.com/ja/design-resources/boards-kits/rtka279972da1000bu