- 公開日:2025年09月16日
- | 更新日:2025年09月30日
RAマイコンにNFCのドライバを移植してみた
RAマイコンにNFCのドライバを移植してみた
1. はじめに
本記事では、Renesas RAマイコン上でNFCドライバを移植して動作させた事例を紹介します。
「RAシリーズでNFCを動かしてみたいけれど、どこから手を付ければ良いかわからない」という方に向けて、移植のポイントや注意点を整理しました。
詳細を記したスライド資料を作成したので、ぜひリンクからダウンロードしてご参考までに活用いただければ幸いです。
2. NFCとは?そしてRAマイコンの位置付け
NFCは非接触通信を実現する近距離無線技術で、モバイル決済やIoTデバイス認証など幅広い分野で利用されています。
一方、RAファミリは業界最先端のArm® Cortex®-M33、M23、M4、M85コアを搭載しPSA認定を受けており、IoT分野への適用性が高いのが特徴です。
この組み合わせにより、シンプルかつ安全なNFC対応機器の開発が可能になります。
今回はルネサスから提供されているPTX105R Quick-Connect boardとEK-RA2E1の組み合わせから、マイコンボードをEK-RA6M3へ変更しました。
3. 移植の全体像
今回はPTX105Rを制御するためのPTX IoT Readerライブラリをサンプルソフトから移植します。
既存のサンプルプロジェクトはRA2E1向けに作成されているため、MCU依存の関連ファイルは移植先MCUのペリフェラル設定に合わせて変更が必要でした。
今回はFSP(Flexible Software Package)がデバイス差分を自動で吸収する形で設定してソースコードを吐き出してくれます。
これらを押さえることで、移植作業の道筋が見えてきます。
4. PTX IoT Reader Libraryレイヤー構成
まず、ルネサスが提供しているNFC IoT Reader SDK for Non-OS Host のレイヤー構成が上図です。
このうち最下部に位置するPlatformの部分がマイコン依存になるため、こちらを合わせ込めば大まかな移植は可能です。
その上で、FSPを用いて組み込み環境に合わせて修正しました。
5. 詳細をまとめた資料
こちらのリンクからアンケートに回答の上、ダウンロードいただければ幸いです。
※半導体メーカー、販売代理店関係者の方のダウンロードはご遠慮ください。
また弊社からアドレス先にご連絡させて頂く場合がございますので、その旨ご了承ください。
6.参考資料
〈USER MANUAL〉
PTX1xxR NFC IoT-Reader API for Non-OS Stack Integration (SDK v7.3.0)
〈SOFTWARE〉
FC IoT Reader SDK for Non-OS Host – PTX1xxR family