- 公開日:2025年09月25日
- | 更新日:2025年09月29日
近距離無線通信NFC BOM点数を削減するには
- ライター:Daigo Komatsu
- ワイヤレス
NFCについて
NFCとは?
NFC(Near Field Communication)は、13.56 MHz帯を使った近距離無線通信です。
「非接触ICカード」や「スマートフォンのタッチ決済」が身近な例で、数センチの距離で安定してデータをやり取りできます。
この通信は磁界(コイル同士の共振)によって成立します。
つまり、アンテナ同士が同じ周波数で共振することで実現できます。
モバイル端末や小型基盤に搭載するケースが多いですが、
部品点数を削減することや導入コストを抑えることが求められる場面が多いです。
今回は、ローパスフィルタ部分の観点での部品点数削減の内容となります。
共振回路でのローパスフィルタ
一般的に、NFCは矩形波に近い駆動方式となります。
そのため、高調波をカットして、NFCの動作周波数である13.56MHzの信号のみを出力させる必要があります。
高調波をカットするためには、ローパスフィルタとしてLC回路が用いられますが、
ローパスフィルタの段数をコンパクトにすることは、BOM点数削減に繋がります。
ルネサス製品で解決:正弦波出力アーキテクチャ
ルネサスエレクトロニクス社のNFCでは、正弦波出力アーキテクチャ を採用しております。
高調波が少ない → EMI源が小さい
出力波形に高調波成分が多く含まれるため、EMC規格に適合させるには複数段のフィルタ回路を入れるケースが一般的です。
一方、正弦波に近い出力波形を得られるアーキテクチャでは、高調波が抑えられるため、
フィルタ段数を最小限に設計できる可能性が高くなります。
これにより、部品点数や基板面積を抑えやすくなり、効率的な設計が可能になります。
ポイント:出力源でのノイズが少ないため、フィルタ段数を抑えれる
マッチングが浅くて済む
広帯域で安定した波形が得られると、マッチング回路の構成もシンプルにまとめやすくなります。
これにより、調整作業の負担や再設計リスクを減らすことができます。
ポイント:シンプルな回路により、調整回数も部品数も減らせる。
レイアウト自由度が広がる
アンテナの配置は、LCDの裏面や金属部品の近くに置くと通信距離が低下しやすく、設計上の制約となることがあります。
正弦波出力のリーダICでは、不要成分が少ないため、
環境による影響が比較的抑えやすく、アンテナ配置の自由度が広がる傾向があります。
これにより、筐体デザインの制約を減らし、量産立ち上げまでの再試作回数を抑えることが期待できます。
ポイント:置き場所に縛られず、狙ったデザインのまま量産へ移行しやすい。
ルネサスのリーダ/ライタ製品ラインアップ
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PTX-100R:汎用NFCリーダ。POSやIoT機器に適したベースライン製品。
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PTX-105R:IoT・家電に最適。まずはこちらから試すのがおすすめ。
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PTX-130R:Androidスマホ連携を重視する用途に強み。
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