• 公開日:2026年01月28日
  • | 更新日:2026年03月03日

Kakipにラズパイで使えるPiCameraをつないでみる【前編】

はじめに:Kakip×PiCameraで何ができるか

KakipはRZ/V系MPUを搭載した小型SBCで、DRP‑AIアクセラレータとMIPI CSI‑2入力を備え、エッジAI用途に強みがあります。本シリーズではPiCamera v2(IMX219)をKakipに接続し、カメラ入力の取得とAIアプリ実行までを段階的に解説します。下記記事も参考にしてください。

Kakipで物体検知(1) | 組込み技術ラボ

 

必要なもの(ハード・ソフト)

本来はネイティブ Linux マシンの用意が望ましいですが、環境準備が難しいケースも多いため、今回はWindows パソコン(Windows 11)だけでトライしました。以降は WSL2 上の Ubuntu に Docker Engine を直接インストールして使います(Docker Desktop は使用しません)。

ハードウェア

  • Kakip(RZ/V2Hベース)本体
  • PiCamera v2(IMX219)+FFCケーブル
  • 電源:12V(推奨仕様を満たすもの)
  • microSDカード:16GB以上(OS/イメージ展開用)
  • キーボード/マウス/ディスプレイ、LAN など(必要に応じて)

ソフトウェア

  • Windows 11(管理者権限が使用可能であること)
  • WSL2(Ubuntu 22.04 もしくは 24.04 推奨)
  • Docker Engine(WSL 内に直接インストール)
  • RZ/V2H AI SDK v5.20(固定)
  • Renesas 公式配布の v5.20 パッケージおよびドキュメント(Getting Started / Release Note)
  • (任意)microSD書き込みツール(balenaEtcher など、ホスト側でイメージを書き込む場合)

ネットワーク・権限の前提

企業ネットワーク/プロキシ配下の場合、WSL(Ubuntu)側での proxy 設定やリポジトリアクセスが必要になります。
Windows 側での 管理者権限(WSL の有効化等)、Ubuntu 側での sudo 権限が前提です。

Windows 11 に Linux を導入する

Microsoft Store 経由で Ubuntu を導入すること推奨します。Microsoft Store の検索バーで 「Ubuntu 22.04 LTS」(または 「Ubuntu 24.04 LTS」)を検索 → [入手]→[インストール]可能だと思います。

ただ今回使用したパソコンでは Microsoft Store 経由でのインストールができなかったため、Power Shell を使って WSL2 を導入しました。色々試しましたが、–web-download オプションを使って Microsoft Store を使わずに最新の WSL パッケージを直接取得してインストールすることができました。

WSL2は一般的なLinuxのディストリビューターと比較してプリインストールされているアプリケーションが少ないように思います。必要に応じて手動でインストールしましょう。

WSL(Ubuntu)上に Docker Engine を直接インストールする

WSL 上の Ubuntu に Docker Engine を導入します。詳細手順は脚注の公式ドキュメントをご参照ください(本記事では Docker Desktop は使用しません)。

RZ/V2H AI SDK v5.20 の取得と開発環境構築

Kakip のマニュアルには以下の記載があります。今回は v5.20でコンテナを準備します。

Renesas AI SDK v5.00を基盤とし、Kakipのハードウェア構成に応じて、U-Boot等のファームウェアに修正を施している。詳細はGitHubを参照ください。

SDK(v5.20)の入手

Renesas 公式の Renesas RZ/V AI | The best solution for starting your AI applications. を参照し AI SDK V5.20 の zip ファイルをダウンロードします。ダウンロードした zip ファイルは WSL/Ubuntu 環境下で Step4 に従い解凍します。

カーネル・ビルド用の環境を構築する

解凍したSDKの ai_sdk_setup フォルダで Docker を使用してカーネル・ビルド用の環境を構築します。これは上記as RZ/V AI | The best solution for starting your AI applications. の Step5 に従い進めます。

こちら”For RZ/V2H, RZ/V2N”に記載のコマンドを使用します。私の環境では30分かかりました。

もしシェルを bash 以外に切り替えていましたら bash に戻してください。私は好みで tcsh をよく使用しますが、Docker のコマンドが bash を使用している前提で記載されているのでエラーになります。

 

ルネサス公式ページ記載の環境構築は以上となります。ここからは Kakip のマニュアルに従い IMX219 カメラを接続するための環境を構築します。

 

IMX219を接続するためのビルド

ここからは以下のサイトを参考に構築を進めます。

kakip_docs/IMX219_Guide/IMX219_Guide.md at main · YDS-Kakip-Team/kakip_docs · GitHub

この時点で「RZ/V2H用AI SDKのコンテナイメージを作成」は完了しています。以下の 1.事前準備を実行します。

以上でカーネル・ビルド用の環境を無事構築することができました。

後編ではイメージファイルを作成し、SDカードからKakipを起動して PiCamera を動かします。

 

脚注(参照リンク)