- 公開日:2018年11月16日
- | 更新日:2022年10月14日
新入社員が制作実習でドローンの自作に挑戦する話。(5)
- ライター:umamiti
- その他
成果発表会
ついに成果発表の日を迎えてしまいました。この一ヶ月ってあっという間ですね。。。
発表本番では20分間の制作物の仕様説明と、15分間のデモ時間となっていました。仕様説明では、やったことすべてを伝えようとした結果、どこが重要だったかを上手く伝えることができたか少し不安です。ここ反省です。
そして、ついにデモの瞬間です!
結果は、、、
制作発表の結果は地面(机)から浮いたものの、残念ながら安定してホバリングすることはできませんでした。。。
制作実習の反省点
制作実習は残念な結果に終わってしまいましたが、ここでどこに問題があったのか、何が悪かったのか振り返ってみたいと思います。
ハードウェアの反省点
まずハードウェアの問題点を考えてみました。
手作りの機体だったため、剛性が十分ではなく振動にも弱い構造になってしまっていたと思います。アームの部分が度重なる墜落のせいで曲がっていまい、成果発表の直前でプロペラの羽も欠けてしまったことも響いたと思います・・・。また、振動にも弱く、プロペラを付けた状態でのセンサー値にノイズが乗っていた可能性があります。
次に、プロペラとモーターが小さすぎたことが考えられます。実際にプロペラを付けた状態でモーターを回したときの浮力を測定していませんでした。なので、DMM.make akibaで回転数計測器を借りて実測したところ、浮上するのに問題のない回転数は出ていたものの、思ったよりギリギリで浮上していたみたいです。
何よりも一番の問題は重心がズレていたことだと考えられます。社内のハードウェアに詳しい人に「まず第一に重心を調整するべき」と言われました。この手の知識に詳しい人にとっては当たり前のことだったそうです。
ソフトウェアの反省点
ソフトウェアの面では、CPUの動作周波数が最大値まで上げて試すべきでした。演算の計算処理に問題はなかったものの、計算処理に時間をかければかけるほど角度算出結果の精度が良くなっていたので、もっと計算速度を上げていればもっと精度の高い角度を算出できた可能性があります。
そもそも、発表後に見直したところ、PID制御の式に誤りがあることがわかりました。4種類のモーターにそれぞれ別の値を反映させていたのですが、その時の値の符号が逆になっていました。これは角速度のPID制御を追加したときに、軸のとり方や考え方を勘違いしていたことによるものだと考えられます。
制作実習をやってみて
製作実習の全体を通した感想は楽しくて、辛くて、そして悔しいものでした。
ものづくりは子供の頃の夏休みの自由研究のようなワクワク感を思い出しました。しかし、何をやるにしても初めてで、何も解決しないまま一日が終わるということがザラにあり、自分の知識不足とその他の能力不足を痛感しました。
第一話でも述べましたが、「先輩の上を行きたい!!」ということで文字通り上を飛ぶものを作成しようとしましたが、結果は惨敗であり、期待して手伝っていただいた先輩方への申し訳無さと悔しさでいっぱいです。
その一方、一ヶ月前の自分とは比べ物にならないほど様々な知識を習得できたと思います。
特にPID制御。大学の講義で習ったことはあったものの、実際にPID制御を使用したものづくりというものは初めてでした。地道な試行錯誤によるゲイン値の調整や、PID制御の計算式の調整はとても大変でしたが、こういった緻密な計算の先に、私たちがテレビでみるようなドローンがあるのだということを実感することができました。
今回の悔しさと経験を活かし、これからの業務に活かしていきたいと思います。
最後まで本記事を読んで頂きありがとうございました。今後共、どうぞよろしくお願い致します。
謝辞
制作実習を進めるに当たり、参考にさせていただいた多くのサイト、指導していただいた先輩社員の方々、本記事を掲載するにあたって協力していただいた方々に感謝致します。