- 公開日:2019年02月12日
- | 更新日:2022年11月30日
基板面積と設計工数を大幅削減!Arm® Cortex®-A8内蔵OSD335x の紹介
- ライター:TAZ
- プロセッサー
こんな悩みを抱えていませんか?
「製品のスペック的にArm Cortex-Aクラスのプロセッサが必要だけど、ハードウェア設計の難易度が高そう・・・」とか、「基板面積を可能な限り小さくしたい・・・」といった悩みを抱えている方はいませんか?
通常、 Arm Cortex-Aクラスのプロセッサには外付けメモリが必要だったり、複雑な電源シーケンスを守るために電源管理ICが必要だったりします。Flash内蔵タイプのマイコンを使う場合と比較すると基板面積は大きくなりがちですし、回路設計の難易度も高く、開発工数も増加する傾向にあります。そのために二の足を踏んでいる方もいるのではないでしょうか。
そんな方たちに対しての最適解となるのは、もしかしたらOctavo Systems社のOSD335xかもしれません!
OSD335xってなに?
PocketBeagle®というものをご存知でしょうか。PocketBeagleはBeagleBoardプロジェクトによって開発されたオープンソースのシングルボード・コンピュータです。シングルボード・コンピュータは他にもありますが、PocketBeagleはその中でも格段に小さく設計されています。
この省スペース化を実現可能にしているのがOSD335xです。下の写真で”PocketBeagle”のシールが貼られているデバイスがOSD335xです。
PocketBeagle
なぜ省スペース化できる?
OSD335xはTexas Instruments社のAM335xプロセッサと、それを動作させる上で必要となる電源管理IC、DDR3Lメモリなどを1つのパッケージにまとめたSiP(System-in-Package)となっています。その複数のデバイスを21x21mm、または27x27mmのパッケージサイズに収めているため、別々のICで実装するよりもはるかに小さい実装面積を実現させることができます。
プロセッサ、電源管理ICなどをワンパッケージ化
DDR3メモリのバス設計を省略可能!
DDR3メモリは転送速度が高速なため、バス設計の難易度が高く、実際に苦労しているハードウェア設計者の方も多いのではないでしょうか。このバス設計に失敗すると、ビット化けや正しいアドレスにアクセスできないなどの問題が発生してしまいます。
前述の通り、OSD335xはDDR3Lメモリがパッケージ内に含まれているため、この難易度の高いメモリバス設計が不要です。これにより設計にかかる工数を削減させることができますし、前述の問題発生リスクを抑えることもできます。
複雑なメモリバス設計を省略可能
OSD335xのラインナップ
OSD335xには現在3種類の製品ラインナップが用意されています。各製品で搭載されているコンポーネントやパッケージサイズが異なっています。以下の表は各製品に搭載されているデバイスやパッケージをまとめたものです。
OSD335x | OSD335x-SM | OSD335x C-SiP | |
---|---|---|---|
プロセッサ | Texas Instruments Sitara AM335x (最大動作周波数:1GHz) |
||
DDR3Lメモリ | 512MB | 512MB or 1GB | 512MB |
電源管理IC | Texas Instruments TPS65217C |
||
LDO | Texas Instruments TL5209 |
||
EEPROM | - | 4KB内蔵 | 4KB内蔵 |
eMMC | - | - | 4GB内蔵 |
オシレータ | - | - | 24MHz内蔵 |
パッケージサイズ | 27x27mm 400ピンBGA |
21x21mm 256ピンBGA |
27x27mm 400ピンBGA |
OSD335xラインナップ(※2019年2月現在)
OSD335x-SMが最もパッケージサイズが小さいため、省スペース化したい方にはこちらが最もいいと思います。OSD335x C-SiPは4GBのeMMCを内蔵していますので、不揮発メモリまでワンパッケージでまとめてしまいたい方はこちらを選択するといいでしょう。
興味のある方はお問い合わせください!
PocketBeagleに採用されたOctavo Systems社のSiPは様々な機能をワンパッケージにすることで、基板面積や設計工数を削減させることができます。これらでお困りの方にとっては本製品が解決策の一つになるかもしれません。
弊社はOctavo Systems社の製品をご紹介することができます。「OSD335xを量産製品に使用したい」などのご要望に対応することも、回路図やPCBレイアウトのチェックを無償で対応することも可能です。本製品に興味のある方は弊社の問い合わせフォームから是非お問い合わせください。