- 公開日:2019年07月02日
- | 更新日:2022年10月27日
LTspiceを使ってみよう – 導入編
- ライター:Macnica
- その他
LTspiceとは
アナログ・デバイセズ社(旧Linear Technology社)が無償提供するLTspice XVIIは、無制限のノード数が扱えるSPICEベースの高性能シミュレータで、特にスイッチング・レギュレータのシミュレーションは、通常のSPICEシミュレータ使用時に比べ飛躍的に高速化されています。
また回路やシンボルエディタ及び波形ビューワーを備えている他、豊富な受動部品のライブラリに加え、約2000種類のADI製品のマクロモデルを有しており、定常状態検出、起動移管解析、ステップ応答解析、及び効率計算や電力計算などの高速シミュレーションを行うことが出来ます。
本記事では、LTspiceを使っている体験談を踏まえてインストール方法とLTspiceを使用する上での利点を紹介させて頂きます。
まずはLTspiceのダウンロード
LTspiceを使うにはまず、アナログ・デバイセズ社のオフィシャルサイトからダウンロードします。
アナログ・デバイセズ社オフィシャルサイト
http://www.analog.com/jp/index.html
ダウンロードとインストール
ダウンロードは以下の様に簡単に行う事が出来ます。
- アナログ・デバイセズ社のオフィシャルサイトを開き、”LTspice” をクリックする
アナログ・デバイセズ社オフィシャルサイト
- “LTspice(Windows 7, 8 and 10版)をダウンロード” をクリックする
- “LTspiceXVII.exe” がダウンロードされるので、PCへインストールする
ダウンロード画面
これでPCへのLTspiceのインストールは完了です。
また、現在LTspiceに入っているモデルは旧リニアテクノロジー製品が中心ですが、徐々にアナログ・デバイセズ製品のOPAmpを中心にモデルが追加されています!是非、定期的にSync Releaseの実行を行ってみて下さい。
アップデート
ダウンロード後のアップデートは以下のように、「Sync Release」を実行する事で行えます。
1. Tools > Sync Releaseをクリックする
2. LTspice XVIIのウインドウが開くので、OKをクリックする
アップデート画面
さっそくLTspiceを使ってみよう!
電気回路知識の習得に
LTspiceを使えば様々な電気回路のシミュレーションを行うことが出来ます。それは電気回路を学ぶ際にも有効です。
例えばRCで構成されるローパスフィルターのカットオフ周波数は、
と教科書で学ぶと思います。
R=10kΩ、C=0.1uFのローパスフィルターを仮定すると、
と計算できますね。
これをLTspiceを使って実際にシミュレーションすると以下の様になります。
シミュレーション結果
例に挙げましたLT8614は、3.4V~42Vの広範囲な入力電圧に対応した4A出力が可能な同期整流式降圧レギュレータです。前記のシミュレーション回路ならびに結果では、12V入力から3.3V/4A出力が2MHzで良好にレギュレーションされている事が確認できます。
最後に
このようにLTspiceはシミュレーションにより様々な結果を確認する事が出来ます。
ただし、シミュレーションで用いているモデルは各パラメータの標準値を使用しているため、実物ほどの真実は語れないのは事実です。しかし、その特性を理解頂き、LTspiceの豊富な機能を正しく使用頂ければ、作業効率などにおいて必ず多大な効果を得られることが出来ます!
いかがでしたでしょうか?未だLTspiceを使ったこと無い方は是非、PCにインストールしてみて下さい。
また、初心者向けのLTspiceセミナーも定期的に実施しています。LTspiceの基本操作を習得出来ますので、あわせてご覧ください。
※本記事は株式会社マクニカのウェブサイトに掲載されている技術情報を、株式会社マクニカからの許可を得て転載しております。
提供元:株式会社マクニカ