- 公開日:2019年08月28日
- | 更新日:2022年11月30日
これから始める3Dセンシング。まずは種類と特徴を知ろう。
- ライター:Yojiro
- センサー
ロボットや自動車/搬送装置の自動制御、介護などの見守りシステムなどで、近年注目を集めている技術として、3Dセンシングがあります。3Dセンシングは、3次元計測やデプスセンシングなどとも言われ、通常の2D(RGB)画像のみでなく、深度(距離情報)を画像データとして取得する技術です。
2D画像でも物体検出は可能ですが、より精度良く確実に、物体を検出するためには3Dセンシングは欠かせない技術になっています。2D画像を3D画像することも可能ですが、ツールにより複数枚の画像から立体化を行います。リアルタイムで3D画像解析したい場合には、はじめから3Dセンシングソリューションを使うことをお薦めします。
3Dセンシングを始めるためには、必要な構成とは
まず、センシングを行う上で必要な構成は、3D画像を取得するためのセンサです。センサといっても基本的にはカメラなのですが、日常で使用する一般的なカメラとは異なります。このセンサを用いることで、対象物の3D深度(距離)情報を取得することが可能になります。
ただ、3D情報を取得しただけでは単なる画像イメージですので、そのイメージ画像から3D情報を解析して必要な情報へ変換する必要があります。そこでプロセッサが必要となります。最近では、オープンソースソフトウエアでも解析ソフトウエアが公開されていますので、お手持ちのPCでも簡単に試すことが可能です。
図1.3D画像データを取得方法
3Dセンシングを実現する技術とは
3Dセンシングを実現するための技術には、いろいろな技術がありますが、最近入手しやすい3Dセンサとして、次の技術を使用したカメラがあります。
ステレオカメラ方式
ToF(Time-of-Flight)カメラ方式
今回は、この2方式の仕組みについて簡単に説明します。
ステレオカメラ方式
ステレオカメラ方式は、2つのカメラから構成され、それぞれのカメラの視差情報から奥行きを算出します。
以下のページにて詳しく説明していますので、興味のある方はご確認ください。
誰でも使える! ステレオカメラで物体検知
図2.ステレオカメラ方式について
ステレオカメラ方式には、周辺光を撮像する一般的なカメラを使用したパッシブ方式と、暗い環境でも撮影できるように赤外線を発光するアクティブ方式の2種類あります。パッシブカメラの場合、暗い環境に設置するときには、F値(絞り)の小さいレンズを選択する必要がありますが、F値の小さいレンズは高価なため、搭載したカメラは価格が高くなる傾向にあります。アクティブカメラには、露出の自動調節機能により必要に応じて赤外線を発光し、明るい環境・暗い環境を問わず使用できるものがあります。暗い環境では赤外線を発光させますので、レンズもパッシブカメラに比べF値を小さくする必要がありません。
パッシブカメラ、アクティブカメラ、それぞれ2つのカメラを別々に設置して、プロセッサで視差情報を計算することもできますが、それぞれのカメラの位置を正確に設置する必要がありますし、プロセッサも高性能なものが必要となり、かえってコストが高くなることもあります。ただ、専用のステレオカメラを使用することで、簡単に3Dセンシングを試すことが可能になります。
ToF(Time-of-Flight)カメラ方式
ToFカメラ方式は、カメラから近赤外線を発光し、物体に反射して戻ってくるまでの時間を測定することで奥行きを算出します。
次のサイトにて詳しく説明していますので、興味のある方はご確認ください。
人数カウントも可能なToFセンサの原理とリファレンス・デザインの紹介
図3.ToFカメラ方式について
いままでのToFカメラには、波長850nmの近赤外線が使用されてきました。850nmの波長の特徴は、可視光の波長に近いため発光時には赤く見えることと、日中の屋外では太陽から発生する近赤外線の影響で性能が低下するというものがあります。
近年、波長940nmの近赤外で高出力なLEDが開発され、ToFカメラにも採用されてきています。波長940nmの特徴として、水蒸気に吸収されやすいというものがあります。この特徴により太陽光の影響を受けにくく、屋外でもToFカメラの普及が始まっています。また、可視光から離れた波長ですので、発光時に赤く見えるということもありません。
まとめ
ひとことで3Dセンシングといっても、いろいろな種類のセンサがあります。ユースケースに合わせた選定を行っていただくことが、必要です。弊社では、ステレオカメラ方式・ToF方式のそれぞれのカメラを取り扱っています。
○パッシブステレオカメラ
ITD Lab社 ISC 100VM – Intelligent Stereo Camera Evaluation Unit
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