エンコーダー受信回路を吸収!?
モーター制御に特化したC2000マイコンの機能をご紹介
はじめに
モーター制御に必要な能力は?
モーター制御に必要な能力って何でしょうか?クローズドループ制御においては、エンコーダー等から受け取ったフィードバック情報を、モーターの制御信号に瞬時に反映する能力(リアルタイム性)だと思います。
例えばエンコーダーからのフィードバック信号が電圧だとすれば、マイコンはADCで電圧を読み取り、読み取った値から回転数を計算し、それを制御信号に反映しなければいけません。この一連の動作が遅ければ、瞬時に希望の回転数にならなかったり、外乱に弱くなったりと、制御システムとして破綻する可能性があります。モーター制御において、リアルタイム性というのは非常に重要な項目なのです。
モーター制御に特化したC2000マイコンとは?
C2000マイコンの概要
本ページでは、モーター制御等のリアルタイム性に特化したC2000マイコンをご紹介します。Texas Instruments社(以下、TI社)では、ローエンドなマイコンからハイエンドなプロセッサーまで、幅広くデジタル製品を展開しております。下記がTI社のマイコン、プロセッサーのポートフォリオになりますが、C2000マイコンは最もモーター制御に向いているマイコンのシリーズになります。
C2000は、TI社のDSPコアを採用しており、リアルタイム制御向けに用意された専用命令や、マルチコアで複数のループ処理を並列に実行できる特長を持っています。ペリフェラルの面でも、高速なADCや高分解能なPWMを搭載、過電圧を検出し即時にPWMをシャットダウンするような保護機能も搭載しており、モーター制御やデジタル電源をターゲットにしている製品になります。
半導体製造装置では、沢山のモーターが使われていると思います。今回はそんなモーター制御向きの尖った機能をご紹介したいと思います!
C2000 モーター制御向きの機能(ペリフェラル)
ePWM
ePWMは“Enhanced Pulse Width Modulator”の略になります。C2000は、モーター・インバータ等のパワーエレクトロニクス分野をターゲットに設計されたMCUのため、高機能なPWM出力ができるように設計されています。一般的に高機能PWMというと三相モーター用に作られていることが多いのですが、C2000では、様々なパワー・トポロジーに対応できるPWMパターンを作りだす事ができます。150psecの高分解能PWM、PFM出力や、150psec単位での位相調整やデッドタイムの調整も可能です。
システムの保護に最適! 高速アナログコンパレーター
C2000には高速のアナログコンパレーターが搭載されており、システムの保護機能(電圧監視)として用いることができます。例えば端子から入力された電圧が、予め決めた閾値よりも高くなった場合、PWMの信号をトリップし、モーターを停止させることが可能です。
こちらの動作は内部のアナログ機能のみで行うことができ、入力からトリップまで55nsec以下の時間で実現が可能です。システムの保護に便利な機能ですね。
エンコーダー受信回路を吸収! Position Managerテクノロジー
C2000は幅広いエンコーダー(位置センサー)をサポートしており、開発工数やシステムコストの削減が見込めます。レゾルバー等のアナログ系から、インクリメンタルやアブソリュートエンコーダーにも対応しており、モーターのフィードバック制御が実現できます。
上の画像は、対応できるエンコーダー(左)と使用するペリフェラル(右)を表しています。例えばレゾルバー等のアナログ系エンコーダーに対しては、C2000内蔵の高性能なADCで対応することができます。インクリメンタルエンコーダー等のパルス出力されるものに対しては、QEPと呼ばれるペリフェラルでパルスを計測することができます。その他シリアル出力がされるようなアブソリュートエンコーダーに対しては、SPI+CLBで対応することが可能です。特にCLBは最近注目されている機能になっており、エンコーダーの受信回路や外部のロジックを吸収することができる便利な機能になります。CLBについては、以下のブローシャーが分かりやすいと思いますので、是非ダウンロードください!
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