• 公開日:2020年09月09日
  • | 更新日:2022年11月21日

カメラのようなレーダーで室内監視!ミリ波によるイメージングレーダーとは?

はじめに

ミリ波レーダーとは?

ミリ波とは、波長が1~10mm、周波数が30~300GHzの電波のことをいいます。ミリ波の電波を照射し、なにか物体(対象物)があれば電波が跳ね返ってきます。この跳ね返ってきた電波を観測することで、対象物の距離、速度、角度を測定することができます。

ミリ波センサーに関する紹介記事が以下にございますので、よろしければ合わせてご覧ください。
ミリ波センサーとは -5分で分かる概要-

イメージングレーダーとは?

電波の跳ね返りによって得られた情報を基にマッピングすることで、その対象物の形状や大きさなどを「イメージ」するレーダーをイメージングレーダーと言います。従来のミリ波センサーでは、対象物からの電波を受信したとき、その位置、角度、相対速度を測定することができます。しかし、あくまで対象物がいる、いないの判断となり、形状や大きさを測定することはできませんでした。

人の姿勢をイメージングレーダーで捉える例で考えてみましょう。
レーダーから電波が照射されたとき、人がいるところでは、頭、首、肩、胴体、脚などの随所から電波が跳ね返ってきます。その跳ね返りをレーダーが受信し、そのデータをレーダーが解析します。解析した「イメージ」が以下の右図のようにとらえると、まるで人が立っているように見えますね。座っている場合や寝ている場合も同様です。

このような点が集合したデータを点群データ(ポイントクラウドデータ)といいます。

ミリ波レーダーを使用したイメージングレーダーの研究が、自動運転の分野で進められています。走行中の車の周辺にいる他の車や建物、道路上の信号やガードレールなどを識別する必要があります。イメージングレーダーによって、遠くにある物体の情報を「イメージ」で認識し、車などであればぶつかりそうか、予測させることができます。

ミリ波イメージングレーダーとカメラの違い

イメージングレーダーの概要を見ると、カメラによる画像認識で十分ではないか、と思うかもしれません。
では、ミリ波のイメージングレーダーとカメラでどのように違うのかまとめていきます。

長距離での測定

カメラでは、標識の文字や信号の色の違いを画像処理によって判別することができますが、画像認識する距離には限界があります。使用するカメラによって異なりますが、数10mまでしか認識できない場合があり、「遠くになにか物体があるかを検知したい」、という点では、カメラは不向きとなるケースがあります。

ミリ波レーダーでは、100m、200m先まで捉えることができます。
なにか物体があることを長距離で捉え、近づいていくと、人なのか建物なのか、といった解析ができますので、長距離での測定の場合はミリ波レーダーが得意です。

ミリ波とカメラ測定イメージ

悪環境での測定

ミリ波レーダーの特長として、直進性の強い電波を照射するため、雨などの天候に影響を受けにくいという性質があります。また、暗闇下での使用や周辺から発する光の影響をカメラは受けてしまいますが、ミリ波レーダーはその影響は受けにくい性質もあります。

カメラなどでは捉えれない空間をミリ波レーダーで補うことができるのもミリ波レーダーの特長です。

こんなところに期待されるイメージングレーダー

スマートホーム/室内セキュリティ

お風呂場やトイレなどは、プライバシーの観点でカメラが設置できない場所ですよね。そういった場所では、もし人が倒れていたりしたら発見が遅れてしまうことも考えられます。このときカメラを使わずに捉えることができるミリ波イメージングレーダーが、人の姿勢を捉えたり、いる・いないなどを識別することでその空間にいる人を見守ることができます。

セキュリティゲート

服の中に隠した危険物、武器などをとらえることができます。これは、服や人の肌と武器等に使われる金属などの素材によって電波の反射率が異なるためです。この反射率の違いを捉えることでなにか危険物を隠し持っている、ということを判別し、その危険物がどんな形状のものかまで識別することができます。

おわりに

ミリ波レーダーが距離を測定するセンサーの他に、カメラのように形状を測定することもできる技術であることをご紹介いたしました。ミリ波のイメージングレーダーでこんなことができるのか、という疑問がありましたらぜひ「お問い合わせ」からご連絡ください。

また、弊社ではイメージングレーダー製品を取り扱っており、以下に参考のチラシを掲載しています。ご興味ありましたら、こちらも一度チェックしてみてください。

資料ダウンロード – ミリ波 4Dイメージレーダー(RETINA)-

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