- 公開日:2021年05月31日
- | 更新日:2022年11月30日
マイコン初心者が色判定可能なマシンを作ってみた 第3話「ハードウェアを作ろう!~予想外の敵現わる~」
- ライター:四代目ビリーK
- マイコン
こんにちは。“四代目ビリーK”です。
前回の第2話では色判定をするためのカラーセンサーの通信方法についてお話させて頂きました。
第2話「カラーセンサーの実験をしよう!~はじめてのI2C~」
しかし、I2Cやセンサー独自の制御方法に苦悩しスケジュールに大幅な遅れをとってしまいました。
今回は一旦ソフトウェアから離れまして、ハードウェアについて攻略していきたいと思います。
基板上での部品配置!?
製作実習が始まる前に、mFグループでは技術系配属組に対して全体の技術研修があります。
この内容は、アナログ製品からデジタル製品、プログラミングなどmFグループが取り扱っているプロダクトを題材に広く勉強します。講師の方々は先輩方で分野ごとに3~4日間朝から晩まで丁寧に教えてくれます。
その中の一つに「アナログ研修」があり、回路を製作するという実習がありました。
そこで、人生で初めてはんだ付けをして回路を作りましたが配線がとてもグチャグチャになってしまいました。
この経験を活かし、この製作実習では事前に部品の配置や配線を考えて基板製作をしようと考えました。
実際の電気製品を作る現場ではものすごく重要なプロセスです。回路のレイアウトでは微妙な配線の長さの違いによりデータのラグが生じます。また、部品の配置・配線をいかにシンプルで取り回ししやすくするかで、製造工場などでの効率化にも繋がります。実際の業務でも先輩方はお客様からの回路図・レイアウトチェックなど、お客様の商品開発のサポートをすることも多々有りますので、重要なプロセスです。
今回は、主な使用部品はマイコンと電源、カラーセンサー、LED、コンデンサー、シフトレジスタ、抵抗などなので部品点数としては少ないです。
フュージョン作戦(各ユニットを統合しやすくするための工夫)!?
四代目ビリーKが必死に基板にはんだ付けをしていた際、先輩が有り難いアドバイスを下さいました。
それは
「最終的に1つの基板にするよりも、いくつかに分けて合体させる方が良いよ!」
とのことでした。
これは、デバックの時に役立つテクニックです。回路毎(私の場合:マイコン、電源、カラーセンサー、LED、LEDマトリクスなど)に各ユニットにし、デバック時に問題の切り分けが簡単になります。
この時、私の頭の中ではあの有名な漫画がイマジネーションされました。各ユニットを地道にデバックしながら製作し、最後に合体した時には最強になる!そう、名付けました。「フュージョン作戦」です!
この作戦でハードウェア作成をする事にしました。製作初期段階で、アドバイスを下さった先輩には感謝です。このようにmFグループでは製作実習は1大イベントですので、あらゆる先輩方に注目され期待されています!!!
下図が今回のマシンの全回路図になります。
このユニット毎に基板を切り、はんだ付けをし、導通チェックを欠かさず実行しました。これによって私のユニットは全て完璧な導通と配線が施されたわけです。
時間がかかりましたが、後々のことを考えると「急がば回れ」のもと良いと思いました。(このプロセスをしたことで、最終的には救われました。導通チェックは欠かしてはいけませんね。)
ユニットも仕上がったこところで、次に筐体製作に取りかかりたいと思います!
ダンボール工作の恐怖!?
いよいよ筐体作成です。
車を作る時に例えると、エンジンやシャーシ、ハンドルなどの各部品は出来上がっています(ユニット)。
続いて車のボディを作ります。私は「ダンボール」を素材としてチョイスしました。過去の先輩方は木材やプラスチックなどより頑丈なものを採用されていましたが、私の場合スケジュールが大幅に遅れていること、ある程度の強度で十分、アレンジが容易という事でダンボールを採用しました。早速、オフィスの倉庫にいって、コピー用紙のダンボールをゲットしました(大変エコでリサイクルだなと自分では感じました)。
まず、このダンボール内部をカラーセンサーが識別しやすいよう真っ暗にするために黒の画用紙を貼り付けました。
そして、ここからが大変考えた所です。
それは、「フタ」をどうするかです。
当初のコンセプトは、下図の様にスライド式のフタを採用しようとしました。しかし、気づきました。隙間が出来やすいため蛍光灯などの外部の光が内部に入ってくるのではないか?また、スライド式の機構を作るのが難しいではないか?
筐体製作でこの様なポイントがあるとは、不覚でした。
色々考えあらゆるフタを検討していた所、ある先輩が「おせんべいの缶のようなフタは?」とアドバイスを下さりました。そうです!おせんべいの缶のフタこそ最強のソリューションだったのです!上からピッタリと被せることで光の入射を防ぐ事が出来ます。よって、「おせんべいのフタ作戦」に切り替えました。また、上から被せるだけですので機構的にも簡単です。
こちらが完成品です。
続いて、筐体の中身がこちらです。仕切りを作り底面をくり抜きにした事でルービックキューブ®各面の色が判定しやすい仕組みにしました。
また、基板のメイン部分はこの様になっております。
そして、なんとかプロトタイプが出来ました。
※この後に黒画用紙を貼りました。
※RGB LED は実験の都合上もう一度配置を見直す必要が有るため、搭載しておりません。
ようやく形になり、とりあえずプログラミングを何も入れていない状態ですが、LEDマトリクスが点灯したり、ブザーが鳴った時は感動しました!!!
という事で筐体のプロトタイプが出来上がったところで、マイコンのソフトを作ろうと思います。はたして、期待通りの動きをするのでしょうか!?
次回は、第4話「ソフトウェアを作ろう!~マイコンとの戦い~」です。
※ルービックキューブは株式会社メガハウスの登録商標です。
マイコン初心者が色判定可能なマシンを作ってみたシリーズ一覧
第1話「仕様を考えよう!製作実習はじまる!!」
第2話「カラーセンサーの実験をしよう!~はじめてのI2C~」
第3話「ハードウェアを作ろう!~予想外の敵現わる~」
第4話「ソフトウェアを作ろう!~マイコンとの闘い~」
第5話「ま、さ、か、~最大のピンチ!!!~」
第6話「フィナーレ~技術商社のその先へ~」