- 公開日:2020年09月15日
- | 更新日:2022年11月21日
SD card UHS-1動作方式とは
- ライター:87
- メモリー
はじめに
現在、組み込みでは高画質化・高速処理が求められる中、メモリーを選定する上で通信速度は重要なfactorとなっております。SDカード規格内にはspeed classが定義されており、UHS-1は最低10MB/s、理論上最大で、104MB/sに至るポテンシャルを持つinterfaceになります。InterfaceとしてUHS(Ultra High Speed)classという規格に準拠しているものとそうでないものが市場には流動しております。
今回、いかにも高速そうな名称であるUHS(Ultra High Speed) interfaceの概要及びその制御方法について紹介させて頂きます。
表1. SDA規格 Speed Classについて
SD
speed class |
? (遅) ⇔ ? (速) |
||||
---|---|---|---|---|---|
分類1 | 分類2 | 分類3 | 分類4 | 分類5 | |
Class2
R/W:2MB/s(Min) |
Class4
R/W:4MB/s(Min) |
Class6
R/W:6MB/s(Min) |
Class8
R/W:8MB/s(Min) |
Class10
R/W:10MB/s(Min) |
表2. SDA規格UHS interface 定義
UHS
interface |
分類1 | 分類2 |
---|---|---|
UHS-1
R/W:10MB/s(Min) |
UHS-3
R/W:30MB/s(Min) |
interface(default speed)とUHS-1 interface Clock speedの違いついて
前項で記載させて頂きました通りUHS-1 modeは速い!ということがわかりましたが、どのようにその速さを実現しているかという観点で、Default speedとUHS-1の違いについて記載させて頂きます。
以下にDefault speedとUHS-1の信号電圧と許容されるClock の差分について記述致しました。UHS-1は信号電圧を低くし(1.8V),最大Clock speedが208MHzまで許容されており、高速化を実現しております。
表3. interface(default speed)とUHS-1 interfaceに関するClock speed/Signal Voltageの比較
分類 | Bus speed mode | Max Bus Speed[MB/s] | Max Clock Frequency[MHz] | Signal Voltage[V] |
---|---|---|---|---|
UHS-1 | SDR104 | 104 | 208 | 1.8 |
SDR50 | 50 | 100 | 1.8 | |
DDR50 | 50 | 50 | 1.8 | |
SDR25 | 25 | 50 | 1.8 | |
SDR12 | 12.5 | 25 | 1.8 | |
Default interface | High speed | 25 | 50 | 3.3 |
Default speed | 12.5 | 25 | 3.3 |
なお、High speedに関してはSDA ver 1.10以上であればサポートしており、50Mhz環境で動作可能となっております。
Host側でUHS-1動作方式にて動作させるためのSD制御について
ここからは、実際にSDを搭載しUHS-1 modeで動作させるためにどのような制御が必要か説明させて頂きます。
UHS-1の動作させるためには、SD Initialize時に簡単な手順が必要とされます。
手順としてはかなり単純なもので、信号電圧を切り替える前に切り替えのためのコマンド を送り、SDからのレスポンスにより切替が完了したことを確認した後、
物理的にClockを3.3Vから1.8V制御へ変更するのみとなっています。しかしながら、いくつか注意点があるため、以下で見ていこうと思います。
(1)コマンドシーケンス(例)について
UHS-1 modeに切り替えるためにInitialize時にSwitch Commandと規格内で定義されているCMD11を送り、1.8V駆動に切り替えることを通知する必要があります。
図1. UHS-1動作させるための初期化シーケンス例
(2)CMD11 Switch Commandのレスポンスについて
基本的にHostはCMD11を発行した後、そのCMD11に対する応答SD->Hostへのレスポンス(R1)にて、1.8V駆動に切り替えてよいかが判断可能となっています。
R1レスポンスの構成としては以下のようになっており、R1レスポンス内のcard statusにて判断可能になります。
図2. CMD11に対するR1レスポンス UHS-1動作可否判断方法について
(3)SDCLK制御について
CMD11のレスポンスを確認し、SDCLKを3.3Vから1.8Vへ変更することができますが一旦3.3Vの信号電圧の供給を止め、5ms後(MIN)に1.8Vの供給してください。
(SDカード内の電圧レギュレータの1.8V出力は5ms以内に安定している必要があるため)
図3. CMD11実行後信号電圧切り替えタイミングについて
まとめ
-UHS-1は高速であるため、高速処理を求められるアプリケーションに推奨される
-UHS-1の制御はInitialize時にコマンド、SDCLK制御が必要とされる
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