• 公開日:2025年10月01日

GreenPakを使ったPWM調光LEDドライバー

GreenPakを使ったPWM調光LEDドライバー

GreenPAK(HVPAK)を使って実用的なガジェットを作ってみたのでお披露目します

キャンプに使っていたLED電球型ランタンが点灯しなくなったため、LED部分を流用してPWM制御で調光ができるランプを作ってみました、LEDランプの仕様説明、HVPakの仕様、回路構成、を順に説明します

製作物概要(仮)

・品名:LED電球型 ランプ

電源:006P 9V電池

操作:ロータリーエンコーダによる調光

・写真1

・PWM調光の特徴

  1. 高効率、省エネルギー

PWM制御は、LEDを高速でオン・オフすることで明るさを調整します。電流を連続的に制限する方式(アナログ調光)と比べて、電力のロスが少なく、効率的です

  1. 発熱が少ない

アナログ調光では電流調整のためにで熱が発生しますが、PWMではLEDがオンかオフの状態になるため、アナログ調光と比較し発熱が抑えられます

  1. 広い調光範囲

デューティ比(オンの時間の割合)を変えることで、細かく明るさを調整できます。0%〜100%まで滑らかに制御する事も可能です

  1. 色の変化が少ない

PWMでは電流は一定なので、色の変化が起こりにくい

5. ノイズやちらつきの制御が可能

PWMの周波数を適切に設定することで、ちらつきやノイズの影響を抑えることができます

使用したGreenPakはSLG47105

SLG47105の特徴

ルネサス社GreenPakシリーズの中で、Hブリッジを内蔵しモータ制御やソレノイド制御など比較的電圧が高い物を制御する事が可能なデバイスで、特にHVPakと呼ばれています

  • 最大2Vの高電圧と最大2Aの大電流でGPOを駆動可能
  • フルHブリッジと独立したハーフブリッジの制御
  • フレキシブルな8ビットPWMマクロセル
  • 定電流、低電圧レギュレーション
  • ワイドレンジ電源 2系統入力
  • 電源

VDD1 : 2.5V(±8%)~5.0V(±10%)VDD

VDD2 : 3.3V(±10%)~12.0V(±10%)VDD2

  • そのほかPWMマクロセルやI2Cインターフェースマクロセルを等を内蔵し過電流、過電圧保護、機能も備わっています

SLG47105Vのブロック図を下に示します

・ 今回は主に以下の機能ブロックを使用しました

D-FF

ロータリーエンコーダの出力を受けて回転方向を検出する目的で使いました

カウンタ

ロータリーエンコーダの回転停止検出タイマーに使いました

PWM モジュール

LEDランプの明暗調整をするPWM出力を生成目的で使いました

 

HV OUT コントローラ

LEDランプのドライバーとしてハーフブリッジ部分を使います

 

・ HVPak設計図面は下記の様になります

・ 工作はSLG47105V DIP Adapterを使いました

SLG47105Vはとても小さなパッケージなので基板に手作業によるハンダ付は困難です、試作やDIYをする場合はDIP Adapterと呼ばれる実装済基板を使うと便利です

 

製作物の結果

使ってみた

・いい所

調光つまみの回転で明/暗の調整がきめ細かくできるので便利で使いやすい

・イマイチな所と改善点

乾電池を使っているので消耗したら電池の買い替えが必要でエコじゃない点、充電池が使えるように改造していきたい

 

最後に

・今回は無限の拡張性を秘めたGreenPAKのなかでHVPAKを使って工作をしてみましたが、GreenPakはシリーズとして様々な特徴のある商品がラインアップされています、まずは開発環境をダウンロードしてクックブック等を参考に触れてみてはどうでしょうか、きっとGreenPak沼にハマる事でしょう!

 

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