- 公開日:2019年02月20日
- | 更新日:2022年11月30日
IO-Link検討中の方に最適なIO-Link評価モジュールの紹介
- ライター:Rio
- インターフェース
広がりを見せるIO-Link
近年ではIndustry 4.0の流れから、スマート工場の実現化において様々な産業用通信に世の中の関心が集まっています。IO-Linkも産業用通信の一つで、工場で数多く稼働しているセンサーの通信方式を大きく変える技術です。IO-Linkについては、以前紹介をしたこちらの記事をご覧ください。
IO-Linkコンソーシアムによると2019年には累計出荷ノード数が1400万台を超えることを予想しているとのこと。弊社でもIO-Linkの搭載を検討しているお客様が増えてきている印象があります。
そんなIO-Linkですが、IO-Link対応の際には必ず留意すべき点があります。
IO-Link対応時に留意すべきポイント
それは、IO-Linkのプロトコルスタックをどうするか、という点です。
IO-Linkのプロトコルスタックを入手する方法は主に以下の2つの方法があります。
- 自身で一から開発する
- プロトコルスタックを購入する
独自でプロトコルスタックを開発することも可能ではあります。ただ、一から開発するのはとても骨が折れる作業ですので、実際には多くの会社は開発済みのプロトコルスタック購入を選択することになるでしょう。
購入するにしても、IO-Linkのプロトコルスタックを提供している企業の多くは海外ベンダーです。スタック購入のやり取りは英語で行う必要がありますし、提供されるマニュアルもすべて英語です。これらの要因からIO-Link対応に二の足を踏んでいる方もいるのではないでしょうか。
そんな方々に紹介したいのは、すでにプロトコルスタックが実装済みのIO-Link評価モジュールです。この評価モジュールは日本企業が作成しており、購入の際に提供されるドキュメントは日本語になっています。また、プロトコルスタック実装済みのものが提供されますので、ユーザープログラムの変更から評価まで行うことができます。
IO-Link評価モジュールの特徴
小型基板
IO-Link評価モジュールのサイズ
評価モジュールには、Texas Instruments社の MSP430FR5738が制御用のマイコンとして搭載されています。
通常、IO-Linkデバイスには設定パラメータ保存用の外付けEEPROMが必要なのですが、MSP430FR5738は高速書き換え可能な不揮発性メモリ(FRAM)を搭載しているため、それが不要となっています。EEPROMが不要になれば調達する部品点数を少なくすることができますし、なによりも基板を小型化させることができます。この評価モジュールもとても小さく作られています。
すぐに評価可能
接続イメージ図
IO Linkのスタックやプログラムは既に書き込まれていますので、その他の必要な機材さえ揃っていれば箱をあけて10分で評価をスタートできます。
評価に必要な機材、ソフトウェアは以下のとおりです。
No. | 機材、ソフトウェア | 備考 |
---|---|---|
1 | IO-Link評価モジュール | |
2 | Windows PC | |
3 | IO-Linkケーブル | IO-Link評価モジュールには付属していません |
4 | TMG IO-Link Device Tool – Standard Edition |
IO-Link評価モジュールには付属していません |
5 | USB IO-Link Master | IO-Link Device Toolに付属 |
評価に必要な機材一覧
独自のセンサーにカスタマイズ可能
IO-Link評価モジュールの簡易ブロック図
このIO-Link評価モジュールはIO-Link通信部とセンサー部を分離することができます。接続コネクタにはSPIの通信ラインが出ていますので、SPI通信可能なセンサーであればオリジナルのものに変更して評価することも可能です。
実際に動かしてみた
IO-Link評価モジュールには、温度センサーやLEDなどが搭載されており、これらを使った評価をすぐに行うことができます。
評価の手順については評価モジュールを購入時に一緒に提供されるマニュアルに記載されています。筆者もこれをもとに試し、動作させることができました。
LEDを制御している様子
評価モジュールの詳細について
今回紹介したIO-Link評価モジュールは、必要な機材さえ準備できていればすぐに評価を始めることができますし、オリジナルのセンサーを使ったIO-Link機器の試作に利用することも可能です。自社製品のIO-Link対応を検討している方や、IO-Linkの導入を検討している方に最適な評価モジュールとなっています。
評価モジュールに興味のある方、納期を知りたい方は以下のお問い合わせフォームから気軽にご相談ください。