- 公開日:2019年07月29日
- | 更新日:2022年11月30日
ネットワークトポロジーとは?スター型、バス型、リング型を図解
- ライター:イシジマ
- その他
室内で過ごすときは、テレビを見たり、ゲームをしたり、タブレットで本を読んだり、振り返ってみるとこれらの機器は全てネットにつながっています。十数年前はネット=パソコンという認識しかありませんでしたが、最近はテレビやゲームだけではなく、洗濯機や冷蔵庫などもインターネット化されており、当たり前のようにスマホと連動できる世の中になっています。
こういった世の中にある様々なモノをインターネット化することを「IoT」と呼んでいます。(IoTを記事にすると長くなりますので、今回は細かい部分は省きます。)
今回は身近な例を交えながら、ネットワークの「接続」に焦点を当てた記事になります。
家庭でのネット配線方法
我が家のネット配線を例に説明していこうと思います。例えば、主にネット接続しているものは、
- テレビ
- ゲーム機
- ノートパソコン
- タブレット
- スマホ
この5点です。テレビとゲーム機とパソコンは有線、タブレットとスマホはWi-Fiで無線接続しています。
イメージとしては上の図のように、電話回線からモデムを介してネット回線を引っ張ってきて、ハブ内蔵ルーターによりそれぞれの機器にケーブルあるいは無線で接続している状態です。タブレットとスマホは無線ですが、ケーブル接続していると仮定して見てみると、星型のような形に見えることから、この接続方法を「スター型接続」と呼びます。
無理やりですが、スター型接続のイメージです。
詳しくは次項で説明しますが、スター型の接続方法のメリットとしてはハブによる自由度の高い配線が可能な点と、例えばテレビにつながっているケーブルが断線したとしても他の機器への影響は与えないという、被害を最小限に抑えられる点です。
デメリットはハブが故障してしまうと、つながっている機器全てに影響が出てしまうという点です。
このスター型接続以外にも○○型と呼ばれる接続形態がいくつか存在し、それらのネットワーク構成を総称して「ネットワークトポロジー」と呼びます。
ネットワーク接続形態の紹介
先ほどのスター型接続を含めた代表的な接続方法を3つあげます。
1. スター型接続
基本的には先ほど説明した内容となりますが、複数の機器(ノード)をハブなどの通信機器を介して自転車の車輪(スポーク状)のように接続する形態をスター型接続と呼びます。
ケーブル配線が他のトポロジーと比べて簡単で自由度が高いため、家庭でのネット配線はこの形が一番ポピュラーではないでしょうか。
下図ようにネットワークをツリー型に構成することも可能です。
2. バス型接続
全ての機器を一筆書きできるような構成の接続形態となります。
メリットとしては他の接続形態よりもケーブルが短く済む、ハブなどの中継装置が不要なためローコストで構築できるという点です。
デメリットとしては一筆書きの配線上、同じバスの中のいずれか1組の端末間でしか通信できず、ケーブル断線が発生した場合、断線したケーブルより先の機器が全て通信できなくなってしまう点です。
3. リング型接続
名前の通り各機器を輪っかのように構成する接続形態となります。
単純にバス型の両端をつないだだけではなく、ある機器の信号が次の機器の入力に1対1でつながっていて、機器を順にたどることで伝送路を一巡する形になっています。
たどる順は片方向で固定ですが、基本的には逆順でたどる伝送路も用意し、二重化することが多いです。そうすることで、バス型の欠点だったケーブル断線や機器故障による通信遮断を防ぐことができます。
ただし、構築がかなり面倒なため一般家庭やオフィスなどではまず見ることはないでしょう。
インターネット以外の事例
これまでの説明では主に家庭内でのネット配線を例とさせていただきましたが、他にははどのような事例があるでしょう。身近なところで言えば、階数の多いビルなどはおそらく管理が非常に面倒です。
例えば、1階にある制御装置によって3階建てのビル全ての機器を制御する必要がある場合、どの接続形態が一番適しているでしょうか。
バス接続の場合は、上の絵のように各フロアの装置を一筆書きするような配線となるかと思います。絵では故意に切断しているように見えますが、例えば2階から3階へと繋がるケーブルが断線してしまったら3階の制御ができないことになります。例えば、エアコンを1階の制御装置で操作しているとすれば、3階の空調は全く効かない状態になってしまうということです。
解決策としては、各フロアにハブを配置してスター接続にしておくこと。こうすれば、断線被害は最小限に抑えられるかもしれません。(あくまで私の見解ですが)
まとめ
今回はネットワークトポロジーについて説明させていただきました。
インターネットが普及している世の中ですので、今回の例は身近に感じられるかなと思いましたが、家庭のネット環境は無線に切り替わりつつあり、こんな配線考えたことない!という世代が続々と出てくるかもしれません。時代の流れは早いです。
しかしながら、ビルや工場内などの産業用ネットワークの無線切替えはまだ先になると聞いています。無線では、突然通信が途絶えたりする問題があり、24時間監視が必要な機器などに関しては、一瞬でも通信が途絶えてしまうことで大きな問題に発展する場合もあるからです。したがって、まだまだケーブル(有線)は主流です。
産業用ネットワークで活躍するステップテクニカ製品では、MKYシリーズのハブとなる役目を持つMKY02というデバイスが存在しています。もともとバス接続のMKYシリーズを、スター接続へと切り替えられる優れた代物です。