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TPS65251:スイッチング周波数と効率の関係性
デバイス型番:TPS65251当デバイス(TPS65251)のスイッチング周波数を下げ、
機器全体としての消費電流を抑えることを期待していました。しかし、Roscの抵抗値を上げてスイッチング周波数を落としても、
実際には消費電流はほとんど変わらず、やや増加傾向となりました:●Rosc=150[kΩ]の場合:f=1.20[MHz](*1)、(機器全体の)消費電流=285[mA]、(デバイス単体の)消費電流=150[mA](*2)
●Rosc=470[kΩ]の場合:f=431[kHz](*1)、(機器全体の)消費電流=287[mA]、(デバイス単体の)消費電流=151[mA](*2)(*1)f(スイッチング周波数):LX1端子の出力電圧波形をオシロスコープで観測
(*2)各消費電流:機器に対する入力電流およびデバイス(VIN端子)に対する入力電流をテスターで測定この要因について、何かヒントをいただけないでしょうか?
(消費電流を抑える手立てはありませんか?)データシートには、スイッチング周波数と効率に関する記述は見当たりませんでした。
なお、本件について別ルートでお尋ねしたところ、以下の回答をいただいております:
「周波数が上がると、FET駆動による損失は増加する(効率は悪化する)ため、理屈的には逆」
「内蔵されているFETのパラメータが公開されておらず、計算することができない」以上、よろしくお願いいたします。
lufetch様
ご投稿ありがとうございます。
スイッチング周波数を落としても、消費電流が増加する要因に関しましてメーカーへ確認いたします。
また、消費電流をテスターで測定されておりますが、オシロスコープにて電流値および波形を確認して頂けないでしょうか。
テスターでは電流の正確な情報が取得できていない可能性があり、オシロスコープで値の経時変化を見ることで正確な情報を取得できると考えられます。
以上、宜しくお願いいたします。
Nishie
- この返信は4 年前に Nishie さんが編集しました。
Nishie 様:
ご返信ありがとうございます。
メーカにご確認いただけるとのことで、誠に痛み入ります。消費電流をオシロスコープで観測したいところですが、
現在手元に電流測定用のプローブがございません。
(プローブが入手できましたら、確認を行う予定です)以上、よろしくお願いいたします。
lufetch様
お待たせいたしました。
周波数を落として消費電流が大きくなった原因として、「周波数を遅くしたがインダクタの値を大きくしていない」ということが考えられます。
これにより、同期整流DCDCコンバーターで発生するFETのデッドタイム時に、内部FETのボディダイオードに流れる電流が大きくなり、損失が大きくなったと考えられます。
インダクタを流れる電流(I)はI=Vt/Lで求めることができます。ここでVは入力電圧、tはFETのOn時間、Lはインダクタ容量です。
同じ時間動作させた場合、周波数を遅くすることに伴い、tは増加します。
そしてV, Lを変更していないとすると、Iが増加することになります。
この増加したIがボディダイオードに流れることで消費電流(損失)が大きくなります。
<解決策>
インダクタ容量(L)を大きくしてみて下さい。
lufetch様
重ねての返信となり申し訳ございません。
インダクタ容量(L)を大きくし、かつインダクタのサイズも大きくして頂けないでしょうか。
インダクタ容量だけ大きくした場合、インダクタの直流抵抗(RDC)値が上がり、損失があまり改善されない可能性がございます。
インダクタのサイズも大きくすることで損失を抑えられます。
Nishie
Nishie 様:
丁寧なご回答ありがとうございます。
ご助言を踏まえて、インダクタンス・パッケージサイズの大きいLを使用してみます。
また追加でお聞きしたいことが生じた場合、改めて投稿いたします。
早々にご対応いただき、誠にありがとうございました。
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