ホーム フォーラム Texas Instruments 電源IC 電源IC/ロードスイッチのショート時の動作について

このトピックには1件の返信が含まれ、2人の参加者がいます。6 年、 4 ヶ月前William William さんが最後の更新を行いました。

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  • 投稿者
    投稿
  • #1374 返信

    Lead
    参加者

    電源IC/ロードスイッチのショート時の動作について

    デバイス型番:TLV1171他

    TI社の電源IC/ロードスイッチで質問させて頂きます。
    現在開発中の案件であり、以下のICを使用しています。
    それぞれショート時の動作(出力電圧・電流がどうなるのか)を
    御教示頂けます様お願い致します。

    型名
    TLV117112DCY
    TLV117125DCY
    TPS56428RHLR
    TPS568215RNN
    TPS61170DRV
    TPS62143RGT
    TPS62173DSG
    TPS22945DCKR
    TPS259241DRCR
    TPS259271DRC

    #1384 返信
    William
    William
    従業員

    Lead様

    お問い合わせいただきありがとうございます。
    本件について以下のように回答させていただきます。

    TLV117112DCY
    出力電流が内部で設定された電流制限値(ICL)を越えると、出力電圧は低下します。その時の出力電圧(VOUT)は、出力負荷抵抗(RLOAD)に変化し、VOUT=ICL*RLOADとなります。たとえばICL=1.1Aで出力を0.5Ωでショートした場合の出力電圧は、0.55Vになります。その時、(VIN-VOUT)*ICLの電力が消費されるため、ICの温度は上がり、サーマルシャットダウンの作動温度(Typ値:+165℃)になると動作を停止し、出力電流は止まります。出力電流が止まるためICの温度は低下します。ICの温度がサーマルシャットダウン解除温度(Typ値:+145℃)以下になると、動作を再開し出力電流が流れ始めます。ショートの状況が解消されていない場合は、この動作の再開と停止を繰り返します。解消されていれば動作が継続されます。

    TLV117125DCY
    TLV117112DCYと同様です。

    TPS56428RHLR
    SW端子とGND端子間にある内部のローサイドFETに流れる電流がモニターされています。このFETがオフになるタイミングの時に、内部で設定された電流制限値を越えていると、電流が制限値以下になるまでオン状態を維持します。また出力電圧がターゲット電圧の65%以下になると、UVP(Under Voltage Protection)が働き、スイッチング動作を停止します。その後一定時間ごとに動作を再開し出力電流が流れ始めます。ショートの状況が解消されていない場合は、この動作の再開と停止を繰り返します。解消されていれば動作が継続されます。

    TPS568215RNN
    UVPが働く電圧がターゲット電圧の68%以下であること以外は、TPS56428と同様です。

    TPS61170DRV
     このICはダイオード整流方式の昇圧DCDCコンバータで、ショート時に入力と出力の接続をカットするスイッチは入っていません。そのため出力がショートすると、ICは昇圧動作は停止しますが、電流はインダクタとダイオードを介して入力から出力に流れ続けます。出力電圧は、入力電圧からインダクタのDC抵抗値に出力電流を掛けた値(V)とダイオードの順方向降下電圧(Vf)を差し引いた電圧になります。

    TPS62143RGT
     内部ハイサイドFETに流れる電流が、内部で設定された電流制限値(ILIMF)を越えると、そのFETはオフします。その後、内部ローサイドFETがオンになり、そのFETに流れる電流が0.7A(Typ値)以下になると、ローサイドFETがオフになり、ハイサイドFETが再度オンします。ショートの状況が解消されていない場合は、この動作を繰り返します。解消されていれば通常動作に戻ります。

    TPS62173DSG
     内部ハイサイドFETに流れる電流が、内部で設定された電流制限値(ILIMF)を越えると、そのFETはオフします。その後、内部ローサイドFETがオンになり、そのFETに流れる電流が2.4A(Typ値)以下になると、ローサイドFETがオフになり、ハイサイドFETが再度オンします。ショートの状況が解消されていない場合は、この動作を繰り返します。解消されていれば通常動作に戻ります。

    TPS22945DCKR
     出力電流が内部で設定された電流制限値(ILIM)を越えた状態が10ms続くと、内部スイッチはオフになり、出力電流は流れなくなります。その後80ms後に内部スイッチが再度オンになり出力電流が流れ始めます。ショートの状況が解消されていない場合は、この動作の再開と停止を繰り返します。解消されていれば動作が継続されます。

    TPS259241DRCR
     出力電流が外付け抵抗で設定された電流制限値(IOL)を越えると、出力電圧は低下します。その時の出力電圧(VOUT)は、VOUT=ILIMIT*RLOADとなります。たとえばILIMIT=3.75Aに設定した場合で、出力を0.5Ωでショートした時の出力電圧は1.875Vになります。その時、{VIN電圧-VOUT電圧}*ILIMITの電力が消費されるため、ICの温度は上がり、サーマルシャットダウンの作動温度(Typ値:+150℃)に達しますと内部スイッチがオフとなり、出力電流は止まります。出力電流が止まるため、ICの温度は低下します。ICの温度がサーマルシャットダウン作動温度より10℃下がると、再度内部スイッチがオンになり出力電流が流れ始めます。ショートの状況が解消されていない場合は、この内部スイッチのオン・オフが繰り返します。

    TPS259271DRC
     TPS259241と同様です。

     以上、何卒よろしくお願いいたします。

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