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このトピックには3件の返信が含まれ、2人の参加者がいます。6 年、 4 ヶ月前に William さんが最後の更新を行いました。
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電圧レベルシフタについて
デバイス型番:LSF0108;TXB0108TXB0108とLSF0108を検討しており以下2点質問があります。
1.それぞれの消費電流を計算したいのですが計算式を教えていただけないでしょうか。
ある一定の周波数で動作させた時の消費電流を計算したいです。2.LSF0108の出力はオープンドレインでしょうか。
宜しくお願いいたします。
追加で以下2点についても質問させてください。
3.立ち上げ時にI/O入力が不定になる可能性があるため、入力を10kΩでプルダウンしようと思っています。
±2mA以上流さないと駆動しないとのことで出力がきっちりLowに落ちるか心配なのですが、大丈夫でしょうか。
また、この場合の最適な対策などありましたら教えていただけないでしょうか。
立ち上がってからは不定になることはなく、±2mA以上で動作します。4.未使用端子の処理について
データシート5ページに下記の記載がありますがGNDに直結でしょうか。
プルダウンの場合、何Ωが適切でしょうか。③に関連して抵抗が大きい場合意味をなさないのではと心配しています。http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/txb0108.pdf
(1) The A and B sides of an unused data I/O pair must be held in the same state, i.e., both at VCCI or both at GND.また、少し急いでいることもありいつ頃回答をいただけそうでしょうか。
宜しくお願いいたします。
HIGA様
お問い合わせいただきありがとうございます。また回答が遅くなり申し訳ありません。
本件について以下のように回答させていただきます。なお4に関してはVCCIがGNDに直結できるかはTI社に確認中で、
分かり次第再投稿いたします。【回答】
1.TI社に確認しましたが計算式はありませんでした。
ただ検討しますと、LSF0108の方は、信号の流れをA側→B側のときは、B側にあるプルアップ抵抗により
電流が供給されるので、信号を引き上げるために使われるLSF0108から流れる電流はありません。
逆方向の場合も、A側の負荷に供給するのはB側の信号を入力しているバッファからか、B側のプルアップ抵抗からの
供給になり、この場合もLSFからの供給はありません。LSFで消費する電流としては、EN端子とVref_B端子を接続した
ところから、Vref_Aに流れる電流くらいで、その値はデータシート(SDLS966G)の1uA(Typ)です。
(LSF0108の動作については、次の2番を参照ください。)
TXB0108は、データシート(SCES643F)、P12.”8.2 Functional Block Diagram”より、
往復のドライバー(4kohmの出力抵抗あり)と、One Shotにより駆動される,
ドライバー(立ち上がり、立ち下がりのみ駆動)があります。
使用条件としては、A=<Bとなっていますので、電圧の高いB側(仮に3.3V)の消費電流(IccB)を検討してみます。
信号の方向はA側→B側です。
1)静止電流:IccB=5uA(Max)です。(Io=0mA)
2)High出力の駆動電流は、4kohm経由での駆動なので、3.3V/4kohmと考えても、Io=0.825mA(825uA)です。
3)信号周波数に関係するものとして、上記のOne Shotにより駆動される回路の動作で、信号周波数に比例します。
Cのインピーダンスは1/2πfCですので、B側(出力側)についている容量=20pF、信号の周波数=20MHzとすると、
1÷(2*π*20M*20p)≒398Ω。Cに流れる出力電流(Iout)は、電圧÷Cのインピーダンスですので
Iout=3.3V/398Ω≒8.3mAとなります。
4)全体を足すと9mA程度となると思います。2. はい。Bn(n=1~8)端子は、NMOSFETのドレインだけが端子につながっているということでオープンドレインと言えます。
LSF0108の内部等価回路は以下の資料のページ2のFigure 1が基本になります。
Voltage-Level Translation With the LSF Family
http://www.tij.co.jp/jp/lit/an/slva675b/slva675b.pdf
Fig1はLSF0101の場合ですが、LSF0108の場合は、A1-B1のNMOSFETがあと7個追加になります。
Fig1の上側のNMOSFETがゲート電圧を作る基準のMOSになります。EN(MOSのゲート)とVref_Bをつなぐと、
MOSのダイオード接続になっています。
(MOSダイオード:https://ja.wikipedia.org/wiki/MOS%E3%83%80%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%89)
そのため、Fig1で書かれているように、EN=Vref_B=Vref_A+Vthになります。ここでVthは、NMOSFETがオンするのに
必要なソース-ゲート間しきい値電圧です。
動作の例としては、Fig2のようにVre_A=1.8V、Vref_B=3.3Vとした場合でAn端子が受信側の場合は、
Bn端子がVBPUで3.3Vに上がっている場合でも、An端子電圧は、1.8Vまでしか上がりません。もっと上がると
An-Bn間のNMOSFETがオフになるため、1.8Vで安定します。Bn端子=0Vの場合は、An-Bn間のFETのVgsは
Vref_A+Vthになるため、オン抵抗が十分小さくなりAn電圧はほぼ0Vになります。
また、An端子が送信側の場合で、An=1.8Vの場合は、An-Bn間のFETはオフになり電流が流れないため、
Bnの電圧はプルアップ抵抗によって3.3Vに引き上げられます。3.内部のバッファの出力は4kΩとなっていますので、10kΩでGNDに引いても、信号電圧がLレベルのしきい値を
下回らないので信号の反転は起きないと考えます。ただ以下の資料にもありますが、TXB0108でプルアップ・プルダウン抵抗を
小さくすると、内部の4kΩの抵抗が影響して、VOHが下がる、あるいはVOLが上がってしまいます。Effects of External Pullup and Pulldown Resistors on TXS and TXB Devices
http://www.ti.com/lit/an/scea054a/scea054a.pdfこの資料のConclusionでもかかれていますが、Voh、Volに影響を小さくするために、プルアップ・プルダウン抵抗は
50kΩより小さい値は使わないようにかかれています。よって、仮にお客様の使用上でA側もB側も駆動されていない状態が
ある場合で、その時にA側とB側のレベルを決まった値にするにはプルアップ・プルダウン抵抗では出来ないことになります。
TXB0108を使って、電源立ち上がり時のレベルを確定する場合は、50k以上のプルアップ・プルダウン抵抗をつけた上で、
VCCA側のリセット信号などををOE端子に入れて、起動時にOEをLレベルにしてA/B出力を3ステート状態にするのがひとつの
方法と考えます。OE=L→Hにした時に出力が駆動をはじめ、プルアップ・プルダウンしたレベルで安定します。4.はい。使わない信号ラインは、同じ番号のA側もB側も、両方同じレベル(HレベルかLレベル)にしてください。
ただGNDにする場合はGND直結できるかどうかは現在TI社のほうに確認中です。回答が来次第追加投稿いたします。以上、何卒よろしくお願いいたします。
HIGA様
以下、前回の回答4で確認待ちの内容に対しての回答となります。
TI社に確認したところ、使わない端子はA側もB側も同じ電位に固定しますが、その時はVCCI(A側はVCCAになり、
B側はVCCBになります)、あるいはGNDにつなぐ場合は、直接つないでいただいて問題ないということでした。以上、何卒よろしくお願いいたします。
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