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このトピックには12件の返信が含まれ、2人の参加者がいます。6 年、 1 ヶ月前に kaeru001 さんが最後の更新を行いました。
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D級アンプ電源のコンデンサの選定方法【TPA3220】
TPA3220に使用するデカップリングコンデンサ(セラミックコンデンサ)と
電解コンデンサの選定方法について質問させていただきます。①PVDDのセラコンの選定方法
データシート(http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/tpa3220.pdf)
p31
10.2.1.2.1 Decoupling Capacitor Recommendations
にある推奨条件は容量:1uF
温度特性:X7R
定格電圧:50Vですが
現在のチップセラコンの市場供給不足により、X7R、耐圧50V特性のものは
先行きが不透明で、入手が困難です。入手性と実装スペースの制約から選定の一例として
村田製作所様のチップセラコン
GRM155R61H105KE05(https://psearch.jp.murata.com/capacitor/product/GRM155R61H105KE05%23.html)容量:1uF
温度特性:X6
定格電圧:50Vなど、特性を妥協すれば供給可能性が高まります。
その他の選択肢としては
・そもそもの静電容量を減らし、耐圧を向上させる。
・定格25V,容量4.7uFにし、DCバイアスの容量減少(1/10程までに低下)を許容する
・定格25V,容量2.2uFを直列にし、耐圧を得る
などがあると考えます。何れも推奨と異なりますが、どの程度許容されるものでしょうか
各特性のいずれを妥協するか判断がつかず困っているため
妥協点を考慮した選定方法についてご教示いただけないでしょうか②電解コンデンサの最適化
データシート(http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/tpa3220.pdf)
p31
10.2.1.2.2 PVDD Capacitor Recommendation
より
電解コンデンサの推奨条件:470uF、低ESR品となっていますが
470uFの電解コンデンサはサイズが大きく、実装スペースが不足しています。
電解コンデンサの容量を下げてサイズを縮小し、スペースを確保したいと考えています。
電解コンデンサの必要容量はどのように算出すれば良いでしょうか。想定している駆動条件は
電源電圧:20~32V
構成①:モノラル4Ω,瞬間最大10W 定格5W
構成②:ステレオ8Ω,瞬間最大(12W+12W)=24W 定格(6W+6W)=12Wでありアンプ最大性能に対して控えめです。
以上、ご確認お願いします。
- このトピックは kaeru001が6 年、 1 ヶ月前に変更しました。
kaeru001様
お問い合わせいただきありがとうございます。
以下のように回答させていただきますので、確認いただけますでしょうか。
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(1)PVDDのセラコンの選定方法
PVDDのセラミックコンデンサは、電源の大元にある大容量のコンデンサからTPA3220の電源ピンの距離で電圧応答が悪くなるのを改善するためのものです。
データシートで1μFが推奨されていますが、こちらに対する計算式はございませんでした。X7Rタイプの特性をベースにが、X6R、X5Rタイプを使用したときの容量値がX7Rタイプよりも大きくなるようにコンデンサを選定いただければと思います。
(2)電解コンデンサの最適化
大容量のコンデンサ(バルクコンデンサ)については、計算式が載っているアプリケーションノートがございましたので、添付させていただきました。こちらを参考にしていただけますでしょうか。
http://www.ti.com/lit/an/slyt199/slyt199.pdf
Bulk capacitanceの項目に記載がございます。
ピーク電力が下がるとその分コンデンサの容量を下げることができます。
ピーク電力が1/10になると、ピーク電流が1/√10になり、その分コンデンサ容量が小さくなるイメージです。いただいた条件ですと24W(12W+12W)がピーク電力になりますので120W(60W+60W)から考えると1/5になります。
ピーク電流は1/√5になります。
470μFが120Wの条件で設定されていることを考慮すると、容量値は470μ×(1/√5)≒220μF220μF程度にすることはできそうです。
以上、よろしくお願いいたします。
FI43101
(1)PVDDのセラコンの選定方法
電圧応答の改善を目的としたものとのこと承知しました。
また、X6R、X5Rでは温度減少を考慮し、容量値を大きくするとのこと承知しました。(2)電解コンデンサの最適化
実力最大120Wに対し、470uFが十分と仮定したとき
ピーク電流が供給可能なものを選定すること承知しました。(3)モノラルBTLモードにおけるコンデンサの配置方法
ステレオ8Ωについては220uF×2を対象に配置することがデータシートのパターンレイアウトからも
読み取れますが
構成①:モノラル4Ω,瞬間最大10W 定格5W
ではデータシート(http://www.tij.co.jp/jp/lit/ds/symlink/tpa3220.pdf)
p24
9.4 Device Functional Modes
Figure 44. Mono BTL
の構成で設計しています。p16
9.2 Functional Block Diagrams
においてそれぞれのチャネルのHブリッジ電源は独立しているため
電解コンデンサとセラコンもOUT1チャネルのPVDD端子(pin37,38,39)のみで良いでしょうかまた、使用しないOUT2チャネルのPVDD(pin30,31,32)は供給の必要はあるでしょうか
供給の必要がある場合、チャネル消費は、ほぼ0Wのためセラコンのみの実装だけでも
問題ないでしょうか。- この返信は6 年、 1 ヶ月前に kaeru001 さんが編集しました。
kaeru001様
ご連絡いただきありがとうございます。
追加の問い合わせについて、USに確認しております。
確認が取れ次第、コメントさせていただきますので、
しばらくお待ち下さい。以上、よろしくお願いいたします。
FI43101
kaeru001様
USに確認したところ、PVDDすべてのピンに電源を供給する必要があり、それぞれにバルクコンデンサを接続する必要があるとのことです。
これはデバイス内に低電圧保護回路があるためです。It is required to supply PVDD to all PVDD pins and connect the bulk cap to all PVDD pins. The device Undervoltage Protection requires this.
以上、よろしくお願いいたします。
FI43101
FI43101様
>これはデバイス内に低電圧保護回路があるためです。
>The device Undervoltage Protection requires this.確かに動作検証時にPVDD供給を止めるとFAULTとなりました。
安定的な電圧供給が必要とのこと承知しました。瞬停に対しての安定性のみ必要なのであれば
OUT2チャネルのPVDD(pin30,31,32)近くに接続するバルクコンデンサの容量を
22.0uF程度に少なくしても問題ないでしょうか?以上、ご確認お願いします。
kaeru001様
追加の問い合わせに対する回答をUSから入手しました。
未使用のチャンネルに対しては、バルクコンデンサを22μFにしても問題ございません。
If that channel is unused, they can use a small cap like 22uF.
以上、よろしくお願いいたします。
FI43101
FI43101様
早速の調査対応ありがとうございます。
22UFにしても問題無いとのこと承知しました。
質問
(1)PVDDのセラコンの選定方法
(2)電解コンデンサの最適化
(3)モノラルBTLモードにおけるコンデンサの配置方法について解決です。
対応ありがとうございました。
解決済みとしていましたが、追加質問させていただきます。
1uFのセラコンの入手が困難なため、モノラルBTLモードで使用しないチャネルの
セラコンも容量を下げたいと考えています。上記回答
>PVDDのセラミックコンデンサは、電源の大元にある大容量のコンデンサから
>TPA3220の電源ピンの距離で電圧応答が悪くなるのを改善する。とのことでしたが、”電圧応答の改善”とは単に
i.オーディオ波形出力の品質の改善
ii.瞬間的な電圧低下の対策
iii.電源ノイズの低減いずれでしょうか
iiiに対してであれば0.1uF程度へ変更しても問題ないでしょうか。以上、よろしくお願い致します。
kaeru001様
電源の応答とは、
i.オーディオ波形出力の品質の改善
ii.瞬間的な電圧低下の対策
iii.電源ノイズの低減いずれかというよりも3つの項目を総合的に考慮する必要があると考えます。
未使用chのセラミックコンデンサに0.1μFが使えるかどうかについては、メーカに確認しますのでお時間をいただけますでしょうか。
以上、よろしくお願い申し上げます。
FI43101
kaeru001様
未使用chのセラミックコンデンサに0.1μFが使用できるかどうか、メーカからのコメントが入手いたしました。
0.1μFを使用しても問題なく動作すると思われますが、動作確認を実施しておりません。
恐れ入りますが、実機の動作にて確認いただきたいとのことです。以上、よろしくお願い申し上げます。
FI43101
FI43101様
i.オーディオ波形出力の品質の改善
ii.瞬間的な電圧低下の対策
iii.電源ノイズの低減のどれに重きを置いて推奨されているのか伺った上で判断を行いたかったのですが
関連した回答はなかったでしょうか
(iii.の悪化が懸念される場合、規格上採用が難しい場合があります)データシート(http://www.ti.com/lit/ds/slasen3b/slasen3b.pdf)
p36
12 Layout
より
>•The small bypass capacitors on the PVDD lines should be placed as close the PVDD pins as possible.
>PVDDラインの小さなバイパスコンデンサは、PVDDピンを可能な限り閉じて配置する必要があります。とあり、この理由について明記されていない以上
コンデンサのサイズダウンの判断を明確にできないため
今回の質問をさせていただきました。
しかし、上記の記載はあくまで設計の一般則に沿った推奨事項であり
i/ii/iiiの評価や参考データなどはTIでも取得しておらず
結局はi/ii/iiiについて設計者が実測にて確認することが必要との認識でよろしいでしょうか度々申し訳ありませんが、ご確認お願い致します。
kaeru001様
はい、i/ii/iiiのどれに重きをおいているかについてはメーカからのコメントはございませんでした。
私見とはなりますが、デバイスの性能を引き出すために総合的に考慮しているものと考えます。
一般的には小容量のコンデンサは高周波まで対応しているため、高速の電源変動に対応させるために使用しますが、ICの直近に配置する必要があります。TPA3220についても同様と考えます。
お考えのように、バイパスコンデンサについては、アプリケーションにも依存しますので実測による確認が必要と考えます。
以上、よろしくお願い申し上げます。
FI43101
FI43101様
ご確認ありがとうございます。
実測確認と評価が必要とのこと承知しました。本件完了です。
対応ありがとうございました。 -
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