ホーム フォーラム Texas Instruments 電源IC TPSM84624のGND端子について

このトピックには6件の返信が含まれ、2人の参加者がいます。5 年、 7 ヶ月前 foobaa001 さんが最後の更新を行いました。

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  • #4715 返信

    foobaa001
    参加者

    TPSM84624のGND端子について

    デバイス型番:TPSM84624

    TPSM84624を評価基板にて動作検証を行っております。
    このデバイスには、AGNDとPGNDの2つのGNDがあり、
    データシートによると、
    デバイス内部でつながっているから、外側では接続しないこと、
    というような説明がありました。
    もし、この電源ICを載せた基板を設計する場合、
    いわゆる基板のGND配線と接続するのは、PGNDと考えてよいのでしょうか。
    また、PGNDとAGNDは電位は常に同じと考えてよいのでしょうか。
    電源回路を見始めてまだ日が浅いため、
    PGNDとAGNDをあえて分けている理由が理解できていません。
    別の電源ICでは、分かれていないものもありますので、
    やや混乱しております。

    以上、よろしくお願い致します。

    #4823 返信
    GT
    GT
    従業員

    foobaa001様

    いつも大変お世話になっております。
    掲題の件、ご質問ありがとうございます。
    また、回答が遅くなりましたこと、お詫び申し上げます。

    DC/DCコンバータ回路のおけるPGNDは、一般的に大きな電流の流れるループに組み込まれるGNDを指し、
    今回お問い合わせ頂きましたTPSM84624であれば、入力コンデンサ/出力コンデンサのGND等が該当します。
    PGNDは大電流が流れるラインのため、電圧変動があったり、ノイズが大きいGNDといえます。

    またAGNDは、ICの動作周波数やソフトスタート時間、出力電圧などの設定を行う外部部品のGNDが該当します。
    そのため、ここのGNDレベルが変動してしまうとICがの動作に影響がでる可能性があるため、AGNDについては
    安定したきれいなGNDであることが求められます。

    このように、PGND、AGNDについてはそれぞれ役割が異なるため、本デバイスのようにピンが分かれている
    もののほうがより理想に近いパターンレイアウトが可能となります。
    またPGND/AGNDについては、電位を合わせることが必要です。
    通常は基板上のどこか1点でAGNDとPGNDを接続しますが、このICの場合はICの内部で接続が取られていますので
    外部での接続は必要ございません。

    おっしゃられますように、ICによってはPGND/AGNDが分離していないものもあります。
    理由としては、小型パッケージのためのピン数制限や、電流容量の小さい電源のため、
    PGNDの電圧変動が小さいと考えられる場合等があります。
    GNDが1つのDC/DCコンバータの場合、ハイサイド/ローサイドFETが内蔵されている製品では
    通常、GNDはPGNDとして考えます。

    GT

    #4931 返信

    foobaa001
    参加者

    詳しいご説明ありがとうございます。
    それから回答が遅くなってしまい大変失礼致しました。

    AGNDとPGNDの位置付けはおよそ理解できましたが、
    追加でご質問させてください。
    PGNDは電圧変動がありノイズも多いGND、とのことですが、
    一方でPGNDとAGNDの電位を合わせるために、
    一点でPGNDとAGNDを接続するとのご説明がございました。
    仮にPGNDの電圧が変動した場合、
    つながっているAGNDの電位は一緒に変化することはないのでしょうか。
    変動してしまってはAGNDの意味がないとは思うのですが、
    電位を合わせるために相互に接続されている、
    というところで混乱しています。

    以上、よろしくお願い致します。

    #4996 返信
    GT
    GT
    従業員

    foobaa001様
    いつも大変お世話になっております。
    掲題の件、ご質問ありがとうございます。

    先般の回答の中で、分かりづらい表現及び、説明の不足がございました。
    誠に申し訳ございません。
    PGNDとAGNDを1点で接続する目的としては、回路内のすべての電圧に対し、基準電位となる1点を定める
    ためとなります。
    お考えの通り、もし仮にPGNDが電圧変動を起こした場合、AGND側も影響を受けることとなります。
    そのため、大電流が流れることが想定されるPGNDに関しては、太く短いパターンレイアウトを用いて、インピーダンスを
    下げることを意識して、電圧変動が出ないようにすることが必要となります。

    お問い合わせ頂きましたTPSM84624に関しましては、ICの内部でAGNDとPGNDの接続が取られていますので
    外部での接続は必要ございませんが、通常は基板上のどこか1点でAGNDとPGNDを接続します。

    この時、DC/DCコンバータのPGNDパターンの位置によって、大きいノイズの発生が想定される箇所があります。
    (降圧型のDC/DCコンバータの場合、ICの入力コンデンサのGND側などが該当します。)
    DC/DCコンバータのAGNDとPGNDの一点接続の箇所としては、そのようなノイズの発生が想定される箇所を
    避ける必要がございます。

    どうぞ宜しくお願い致します。

    GT

    #4998 返信

    foobaa001
    参加者

    毎回ご丁寧にご説明頂きありがとうございます。
    これまでのご説明につきまして、私の理解をまとめます。
    もし誤解があればご指摘下さい。

    ・TPSM84624を使う場合、AGNDとPGNDは独立したパターンにする(IC内部で一点GNDされている)
    ・PGNDは大電流が流れ、ノイズが乗って変動しやすいので、変動しないようにインピーダンスの低いパターンにする

    それから、本件に関連してもう少しだけ質問させてください。
    ・PGNDが変動した場合、供給される電源出力はどのように変化するのでしょうか。
     また、それが原因で部品が破損するような可能性はありますでしょうか。
    ・TPSM84624を同じ基板に複数個載せて異る電圧を発生・供給する場合、
     それぞれのPGNDはどのように接続することが適切でしょうか。
     また、AGND同士は接続する必要はあるのでしょうか。

    以上、よろしくお願い致します。

    #5025 返信
    GT
    GT
    従業員

    foobaa001様

    いつも大変お世話になっております。
    掲題の件、ご質問ありがとうございます。
    以下文中にて回答させて頂きます。

    ・TPSM84624を使う場合、AGNDとPGNDは独立したパターンにする(IC内部で一点GNDされている)
    ・PGNDは大電流が流れ、ノイズが乗って変動しやすいので、変動しないようにインピーダンスの低いパターンにする

    →はい、上記2点につきましてはご理解の通りになります。
     添付しました、データシートP24のパターンレイアウト例をご参照下さい。
     図内の赤くなっているパターンがPGND,青のパターンがAGNDとなります。
     このパターンレイアウトの場合、多層基板で内層にPGND,AGNDのベタパターンをそれぞれ設けています。
     PGNDについては、TOP層、BOTTOM層、内層の各PGNDのパターンを数多くのビアで接続し、インピーダンスを
     下げています。

    ・PGNDが変動した場合、供給される電源出力はどのように変化するのでしょうか。
     また、それが原因で部品が破損するような可能性はありますでしょうか。

    →PGNDが変動した状態で、出力電圧の波形を確認しますと、PGNDの変動の影響受け、振幅が広くなった波形が観測されます。
    また、動作に対しては一概にどのような影響が出るかは規定できませんが、PGNDが大きく変動することにより、仮にAGNDも
     変動してしまうと、内部の制御回路に影響し、設定通りの出力電圧が出なくなってしまう等の不具合が出る恐れが考えられます。
     
     また、上記のような不具合動作に至り、TPSM84624 データシートP5 “Absolute Maximum Ratings”の項に記載されました
     各ピンの絶対最大定格値の範囲を逸脱するような電圧が各ピンとICのGND間に印加された場合、デバイスがダメージを負う可能性もございます。

    ・TPSM84624を同じ基板に複数個載せて異る電圧を発生・供給する場合、
     それぞれのPGNDはどのように接続することが適切でしょうか。
     また、AGND同士は接続する必要はあるのでしょうか。

    →添付しましたパターンレイアウトを例にしますと、同一基板上の複数のDC/DCコンバータのPGNDについては、
     各ICの近くのTOP面(部品面)で大電流ループを形成するのが理想的で、それぞれの大電流ループに
    組み込まれるPGNDを内層のベタパターンに接続する形となります。
    AGNDに関しては、各PGNDがベタパターンで接続されているのであれば、IC内部でPGNDとAGNDは接続されているため
    AGND同士は接続しなくても問題ありません。

     また、補足となりますが、添付致しましたデータシート記載のレイアウト例に誤りがございました。
     添付ファイル内に緑色で記載したTTピン(5ピン)の接続となります。
     添付のレイアウトですと、TTピンはフローティングとなっておりますが、データシートP4 TTピンの説明に
     ありますように、フローティングにはせず、抵抗を介してAGNDに接続する必要があります。

    どうぞ宜しくお願い致します。

    GT

    Attachments:
    #5244 返信

    foobaa001
    参加者

    回答が遅くなってしまいまして申し訳ありません。
    詳細なご説明ありがとうございました。
    これまで頂いたご説明で現時点での疑問は解消致しました。
    大変ありがとうございました。
    今後ともよろしくお願い致します。

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