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このトピックには3件の返信が含まれ、2人の参加者がいます。6 年、 3 ヶ月前に FUKU さんが最後の更新を行いました。
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LM2596の逆電圧への耐性について
デバイス型番:LM2596ご担当者様
お世話になります。
LM2596はOutput(pin1)->Vin(pin2)の逆電圧への耐性はあるでしょうか。
入力側の電圧が出力側電圧より先に低下した場合、-5Vがかかる可能性や
試作時のマイコン書込時の電源供給による破損を防ぐために
確認したいと考えています。データシートp10 8.2 Functional block diagramの3Aswitch
の逆電圧耐性に相当すると思われます。以上、確認のほどよろしくお願い致します。
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DK様
お問合せ頂きありがとうございます。
御存知の通り、データシートには、3種のバイポーラNPNトランジスタのエミッタ-ベース接合の
逆耐圧値について、残念ながら、記載されておりません。
そこで、本デバイス(Vo=5V固定デバイス)のVin<Vo 場合のTIからの推奨対策について確認しますと、
Vin<Vo の場合に、出力コンデンサの電荷がデバイス内を流れるのを防ぐ為に出力から入力に向けて
保護ダイオードの接続と、この保護ダイオードを流れた電流が前段の入力側に逆流しないように、
入力側からVinピンに向けて第二の保護ダイオードの接続が推奨されております。Vin<Vo の発生が懸念される場合、上記の保護対策を御検討願います。
御参考に、次のTI E2E Comunityの記事をご紹介致します。
御参考 TI E2E Comunity 記事:https://e2e.ti.com/support/power_management/f/196/t/626848以上
FUKU様
ご回答頂きありがとうございます。
Vin<Voの可能性がある場合には
①出力コンデンサの電荷がデバイス内を流れるのを防ぐ為に出力から入力に向けて保護ダイオードを接続
②保護ダイオードを流れた電流が前段の入力側に逆流しないように、入力側からVinピンに向けて第2の保護ダイオードを接続とのこと承知しました。
また追加質問で恐れ入りますが、
出力LC定数の設定について確認したいことがございます。【本件におけるLM2596T-5.0/NOPBの出力要件】
使用電圧範囲:20~32V
定常状態:0.4A
最大電流:1.5ATIの電源設計シミュレータ
https://webench.ti.com/power-designer/switching-regulator?powerSupply=0
にて添付pdfの3パターン、0.4A / 1.0A / 1.5Aについて
シミュレータ結果を確認しました。1.5Aと0.4AのLCフィルタを比較した場合
【1.5A時】
L1:82uH
Cout:4.7uF【0.4A時】
L1:330uH
Cout:2.2uFと大きく異なります。
LC定数は応答性や電源のリプルの程度に関わると思いますが
これはどのように決定すれば良いでしょうか
例えば、
「1.5A時のLCフィルタではインダクタンスが小さいため定常0.4A負荷では
不連続モードになり、リプルが増大するため避けたほうが良い。」
等が判断基準でしょうか以上、お手数かけますがどうかよろしくお願い致します。
DK様
「LM2596T-5.0/NOPB」に関する追加質問を頂きありがとうございます。
◎回答コメント
○お考えになっている通りで、1.5Aと0.4Aのシュミレーション結果のL値の差異は、
「LC定数は応答性や電源のリプルの程度に関わり」「1.5A時のLCフィルタではインダクタンスが小さい
ため定常0.4A負荷では不連続モードになり、リプルが増大」致します。○まず、頂きましたシュミレーション結果から次の事が分かります。
①Io=1.5Aのシミュレーション結果:L1:82uH、Cout:4.7uF
・インダクタのリップル電流:LIpp=380.25mA ⇒ LIpp/Io=25.35%
・出力電流 Ioが、LIpp/2=約190mA 以下で不連続動作発生。その時、LIpp/Io=約200%
・ちなみに、Io=400mAの場合、LIpp/Io=95.06%
・この時、お考えの通り、インダクタのリップル電流が大きいので出力リップル電圧は
増大方向です。
②Io=0.4Aのシミュレーション結果:L1:330uH、Cout:2.2uF
・インダクタのリップル電流:LIpp=90.325mA ⇒ LIpp/Io=22.58%
・出力電流 Ioが、LIpp/2=約45mA 以下になるまで連続動作可能。
・仮に、Io=1.5Aに増大した場合、LIpp/Io=6.02%
・これは、入力⇒インダクタ⇒出力へのエネルギー伝達が充分に行われないことを意味します。○LC値決定の検討ポイント
・基本的に、①、②の回路ともに、負荷電流 Io=0A~1.5A で使用できるLC値であると言えます。
・したがって、①、②回路はトレードオフ関係にあります。アプリで何を重視してLC値を決定するか
検討して①回路と②回路の間でLC値を加減する必要があります。
・すなわち、
まず、アプリにおいて、大負荷電流 Io=1.5Aがまれであれば②回路に近づけ、逆に大電流が頻繁で
あれば①回路に近づける必要があります。
・また、アプリにおいて、出力リップル電圧及び出力ノイズ電圧の低減が重要な場合は②回路に近づけ、
大電流動作において安定した電力供給が必要な場合は①回路に近づける必要があります。
・ただし、②回路で回路を検討する場合、シミュレーション選択インダクタの電流容量が小さい場合が
ありますので、最大許容電流 1.5A 以上あるインダクタを選ぶ必要があります。
ちなみに、②回路 0.4Aのシミュレーション結果で採用されているインダクタ「でCDRH125NP-331MC」
の電流定格は 0.68A で採用にふさわしくありませんので御注意下さい。以上
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